Thermaltake Versa H18を使って気づいたことについて

新しくPCを組むにあたり、格安PCケース『Thermaltake Versa H18』を購入しました。

実際に自分で開封しパーツを組み込んでみたところ、買う前には分からなかった気づきがいくつかありました。そこでこの記事では「これは使い始める前に知っておきたかったな」と自分が思ったことをまとめます。

PCパーツって、購入前の段階だとどれだけ調べても細かい仕様が分からないことが少なくありません。なので購入前に下調べしている人や、買ってから疑問が出てきた人の役に立てば幸いに思います。

レビューというわけではなく、基本的には使っていて思ったことをそのまままとめた記事になります。自作PCに特別詳しいわけではないのであくまで素人目線の内容です。

当記事の内容をもとに作業をして損害が出ても責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。

フロントパネルが開けづらい

Versa H18の正面(フロント)側にファンを取り付けるには、まずフロントパネルを取り外す必要があります。
(ケース内側から取り付けることも物理的には出来そうではありますが、説明書ではフロントパネル側から取り付けることになっています)

まずこのフロントパネルを外すのに一苦労しました。実際に外せた結果として、左手はフロントパネル上側に固定し、右手をパネル下側にあるくぼみにかけ、かなりの力でまっすぐ正面に引っ張るのが正攻法の開け方だと思います。コツとしては、左右片方から外そうとするのではなく、左右同時に下側から外していくイメージ。僕はこれでいけました。

Versa H18のフロントパネルは、下記のようなピンが左右に3本ずつ、合計6本で固定されています。これはまっすぐ引っ張ると抜ける構造にはなっているのですが、固いつくりのためかなり力をかけないと抜けません。

Thermaltake Versa H18 ピン

ピンは固い素材でできているため、これ自体が折れることはそうそうないと思います。

一方で気にするべきは、フロントパネル内側に接続されている各種ケーブル類です。配線がすべて済んだ状態でフロントパネルを外す場合、勢いを余ると断線しかねないと思いました。もちろんケーブルの長さにはそれぞれ余裕はありますが、気にして損はないと思います。

なので、もしフロントパネルを外したければ、面倒ではありますがフロントパネルから伸びる配線を全て外してからの方が無難だと思います。

僕は正面からネジ穴が見えたりしても気にしないので、もうちょっと簡単に外せる仕組みだったらよかったかな。

フロントファンの取り付け

Versa H18はデフォルトでは背面にファンが1つ付いているのみです。そこで別売りの120mmファンを1つ増設することにしました。

選んだのはScytheの『Kazeflex SU1225FD12M-RHP』。値段は1,000円弱くらいでした。手に取ってみたところ、Versa H18に最初からついているものよりも全体的に数段しっかりした作りという印象でした。

 

ファンを取り付けた様子。

Thermaltake Versa H18 フロントファン

ネジはケース本体の隙間に差し込む形になるので、位置はかなり自由に選べます。

120㎜のファンであれば縦に3つ付けられることになっているのですが、最上段だとフロントパネルのケーブル類と干渉しやすいように見えました。写真でもそれが分かると思います。

そういうわけでファンはケーブルの邪魔にならない中段あたりに配置しておきました。

3.5インチHDDの取り付け位置と順番について

OSをインストールするM.2 SSD以外に、これまで使っていた3.5インチHDDをこちらのPCに組み込むことにしました。

実際に最後の方まで組んでから、

  • HDDの配置は2段あるうちの上段の方がケーブルの取り回しがいい
  • HDDはマザーボード設置や配線の前に取り付けた方が作業しやすい

と気づきました。

まず、Versa H18には3.5インチHDDを取り付けるスペースが2つあります。電源ユニットと同じベースの部分に、下(床)と上(天井)からネジで固定できるようになっています。下記の写真は、最初にHDDを下側に固定していたときの様子。

Thermaltake Versa H18 HDD

これだと固定はしやすいのですが、電源のコネクタが床に近すぎて、ケーブルを思いっきり曲げないと挿せませんでした。いや、曲げても挿せなかったかもしれません。なのでHDDは電源ケーブルの挿しやすさを優先してベーススペースの天井に固定する方が便利と思います。僕は最終的に上側を使うことにしました。

HDDを上側に取り付ける場合、固定するネジはケース内のメインスペースからドライバーで回すことになります。そのため、マザーボードの配置が終わった後だと作業しづらいです。特にグラフィックボードを挿した後だと物理的に不可能になります。

これもやる前は分からなかったところで、グラフィックボードを外す→HDDを取り付ける→グラフィックボードを戻す、という面倒な手間が発生しました。

今からやり直すなら、(1)HDD取り付け、(2)マザーボード配置→(3)配線→(4)グラボの取り付け→(5)配線整理、という順番がスムーズかなと思います。

蛇足ですが、最近のmicro ATXのケースでもこういう3.5 HDDを配置できるスペースがちゃんとあるのは驚きでした。しかも2つも!

限りあるスペースをフル活用できるようにうまく設計されていますね。ちなみにSSDは配線スペースに側面から2つ固定できるようになっていました(自分はそちらは不使用)。

スタンドオフの取り付けについて

ケースからマザーボードを浮かせるネジ穴付きパーツ(スタンドオフと呼べばいいでしょうか)は、6つは最初からついていて外せないようになっていました。

僕が買ったドスパラ限定GIGABYTE製のマザーボードはさらにもう2つ分ネジ穴があったので、スタンドオフを2つ追加で取り付けました。これらの予備のスタンドオフはPCケースの付属品としてついています。

下の画像の緑色のパーツが、僕が自分で追加したスタンドオフです。もとからあるスタンドオフと同じ高さになるようにしっかり固定しました。

Thermaltake Versa H18 スタンドオフ

 

マザーボードを取り付けた様子。同じく緑色のネジ穴が追加のスタンドオフに対応しています。

Thermaltake Versa H18 スタンドオフとマザーボード

追加のスタンドオフを使わない場合、マザーボード右側(メモリ)側が全体的に浮いた状態になります。空冷クーラーも含めるとマザーボード全体にそこそこ重量がのしかかるのと、太い電源ケーブルの張力もかかることから、しっかりと固定しておきたいところです。

電源ボタンの押しやすさについて

Versa H18のレビューを見ていると、「電源ボタンを間違って押してしまいやすい」という内容をよく目にしました。

実際にVersa H18を使ってみたところでは、確かにボタンの位置的には間違って押しやすい位置にあるのは間違いありません。正面の上側右角にあるので、例えばPCを体の左側に配置している場合は何かの拍子に足が当たったりすることもあるでしょう。

Thermaltake Versa H18 電源ボタン

ただ、ボタン自体がゆるくてすぐに反応してしまう、というわけではありません。PCケースに体が当たらないように気を付けさえすれば大丈夫です。

なので電源ボタンの配置については、購入前にことさらデメリットに感じなくてもいいのかなと思います。少なくとも僕は気になりませんでした。

総評

この記事はレビューとして書いているわけではないのですが、最後にざっくりと総評を。

Versa H18は格安mATXのPCケースとして紹介されたりランキングで目にすることも多く、コスパが良さそうなことから今回買ってみました。

円安の影響か一時期からやや値上がりして4,400円だったのですが、それでもコスパは優れていると感じました。何かしら特別な条件や希望がないのであればVersa H18は悪くない選択肢だと思います。

僕自身PCケースには多くを求めていません。本当に普通に使えればそれでOK。光る必要もないし、キングサイズのグラボを格納できるスペースもいらない。今回は普通にゲームが出来るミドルクラスのゲーミングPCというコンセプトで組んだので、Versa H18は適役だったと思います。

これ以前はATXサイズの大きいケースを使っていたこともあり、mATXのケースのコンパクト感と軽さには感動しました。それでいて必要なものはすべて中に配置できています。もちろんスペースが狭い分配線がしづらいみたいなデメリットは自然と出てきますが、一度組んでしまえばどうということはありません。