Win7デスクトップPCにメモリを増設したところ、合計24GBが認識されているにも関わらず、使用可能が16GBにとどまる問題が起きました。
結論から言うと、原因はそもそもWindows7 64bit Home Premiumではメモリの上限が16GBだったからでした。
そこでWindows10にアップグレードしたところ、今では無事24GB全部が使用可能になっています。
最初はこの原因に気づけず、色々試しましたがそれらはすべて的外れでした。
この記事では、結局は無駄だった途中の試行錯誤も含めて個人的な体験談を書きたいと思います。
同じ状況の方の参考になれば幸いです。
問題に気づくまでの経緯
まずどういう経緯だったのか簡単に。
僕はWindows 7 64bit Home PremiumでDTM(Desktop Music)をやっていました。
これはいわゆるPCを使った楽曲制作です。
この時点でのメモリは4GB×2で、合計8GB。
しかしDTMをやる中でメモリ不足が起き、増設しようと思ったのが事の発端です。
メモリを増設するまで
PCは2013年頃に自作したデスクトップです。
詳細は次のとおり。
- Windows 7 64bit Home Premium
- CPU : i7-4770
- RAM : DDR3 4GB×2(合計8GB)
- マザーボード : ASUS H87-PRO
- グラフィックボード : msi GTX760(GRAM 2GB)
マザーボードがDDR3に対応しているということで、CFDのメモリ8GB×2を新しく買いました。
CFD製を選んだのは、それまで使っていたメモリもCFD製だったからです。
これならマザーボードとの相性や、メモリどうしの相性で困ることはないと思いました。
(ちなみに、この時点ではマザーボードのメモリ上限などは考えていませんでした)
メモリ増設前後の様子
マザーボードH87-PROには、メモリのスロットが4つあります。
そのうち黄色のスロット2つに4GBのメモリを挿していました。
【補足】簡単に言うと、メモリは1個飛ばしでペアになり動作します。
そこで新しく買ってきたメモリを空いているスロットに装着。
(紛らわしいのですが、後で新しいメモリを取り外す可能性とクーラーとの干渉を考え、古いメモリを一段ずつ左に寄せました)
これですべてのスロットが埋まり、メモリは左から順に4+8+4+8=24GBになりました。
メモリが全て使われない問題が発生
PCの起動に一度失敗したのですが、これは新しいメモリがしっかりハマっていないのが原因でした。
その後は動作自体は問題なし。
これで24GBのメモリが使える…と思いきや、確認してみると思ったとおりになっていません。
24GB分のメモリが確かに認識されてはいるのですが、使用可能は16GBになっています。
つまりメモリが全て使われてはいないのです。
そこで「メモリ 全て使われない」や「メモリ 使用可能」などのワードで調べました。
同じようにメモリが認識はされているが全部が使用可能にはなっていないケースは多いようです。
(Win7以外も含めて)
とりあえず一つ一つ可能性を潰していくことにしました。
ここでもう一度結論を繰り返しておくと、Win7 64bit Home Premiumではそもそもメモリ上限が16GBだったのが僕のケースの原因でした。
なので以下の対処は最終的には見当違いでした。しかし、場合によってはそれが解決策になることもあると思います。
順番は忘れましたが、色々試しました。
- メモリを挿し直す
- マザーボードのメモリ上限を確認
- BIOSでメモリの再マップ
- msconigからの設定
メモリが正しく挿さっているか
他の方の解決例で一番多かったのは、「メモリを挿し直す、正しく挿す」というシンプルな方法でした。
僕もとりあえずメモリの挿し直しは簡単に試してみましたが、効果はありませんでした。
要はメモリがスロットにしっかりハマっていない、スロットの中にホコリが入っている、といった問題がしばしば原因になるようです。
メモリはただはめるだけでなくて、横のツメのパーツで固定しないと正しく動作しません。
上に書いたように僕が一度PCを起動できなくなったのもそれが原因でした。
ゴミの混入も考えましたが、僕の場合はメモリ装着時にエアダスターでホコリは十分取り除いています。
メモリは永年保証を謳っていることもあって、初期不良は考えにくいでしょう。
第一、24GBは認識されてはいます。メモリ本体の故障で「認識はされるが使用可能にはならない」という絶妙な問題が起こるとも考えられません。
マザーボードが制約になっていないか
2つ目に、「マザーボードのメモリ上限はどうか」と思って調べました。
ASUSの公式サイトによると H87-PROは32GBのメモリまで対応しています。
ゆえにマザーボードがボトルネックになっているわけではありません。
マザーボードのスロットが認識だけはできる絶妙な壊れ方をしている可能性も低い。
関連して「CPUの取り付けが~」という話も目にしたのですが、まさかそんなことはないと思いました。
BOISからメモリの再マッピングで解決するか
BIOSからメモリの再マップをする対策も見つけました。
僕自身全く馴染みがない操作だったのですが、ネットの情報を見ればやり方自体は簡単です。
BIOSの仕様はマザーボードによって違いますが、僕が使っているH87-PROでもメモリの再マップに相当する項目はありました。
そこもいじってみましたが、結果は変わらず。
msconfigの設定で解決するか
Windows上で「msconfig」と検索して出てくるプログラムを使用すると、PCの詳しい設定ができます。
(画面はWin10のもの)
このアプリで「ブート」→「詳細オプション」→「最大メモリ」のチェックを外す、という操作で解決する可能性がある、という情報を見つけました。
しかしこれも効果はありませんでした。
OS自体にメモリの制約があった
色々やって上手くいかなかったのですが、何かのはずみで「OSにメモリ上限があるのでは」というアイデアが浮かびました。
それに近い表現をネットで目にしたんだと思います。
調べてみると大正解。
「Windows 7 メモリ上限」で検索すると答えはすぐ出てきます。
Win7 64bit Home Premiumのメモリ上限はなるほど16GBでした。
なので24GBが正しく認識されても実際に使えるのが16GBにとどまるのは、全くもって正常なことだったのです。
ちなみに同じWin7 64bitでも、もっと上のProfessionalやUltimate、Enterpriseバージョンだと192GBまで対応しています。
Win7のままではメモリが無駄になってしまいます。
以下の3点を考えた結果、Win10へのアップグレードをすることにしました。
- この作業をしていたのが2019年9月のことで、翌年2010年1月にはWin7のサポートが切れる
- 手元にWin10のインストールメディアがあった
- Win10 64bit Homeだとメモリの上限が192GB
Win10にアップグレードしてみるとメモリの問題はあっさり解決しました。
RAMは24GBと表示されており、その後に「16GB使用可能」の文字はありません。
タスクマネージャーでも24GBのメモリが確認できます。
これにて一件落着です。
OSによってメモリ上限があることはうっすら聞いたことはありましたが、Win7 64bit Homeの上限が高々16GBというのは知りませんでした。
最低でも32GBくらいは大丈夫だろうという思い込みがあり、注目するのが遅くなってしまったのだと思います。
もしも同じ原因で困っている方がいたら、今回の内容は参考になるかもしれません。
今回は以上です。