【kindle paperwhite(11世代)レビュー】ページ送り速度・目の疲れにくさに満足

紙の本、スマホからkindle paperwhite(11世代)に移行して実際に使ってみた上で感じたことをまとめてレビューします。

読むコンテンツは日本語の小説のみ。学習目的ではなく、純粋に娯楽として楽しむという目的で使っています。

以下、今回レビューする端末の詳細。

  • kindle paperwhite(11世代)(新品)
  • 広告なし
  • 8GB
  • 購入時期 2024年2月

kindle paperwhite(11世代) 良かったところ

まずはkindle paperwhiteを実際に使ってみて良かったところ、満足したところなどから書いていこうと思います。以下には、個人的に特に重要だと思った順に書いていきます。

注意点として、以下に述べる内容はかなり主観的であることは僕自身強く思うところであり、挙動や仕様ついての満足度は人によって大きく変わるとは思います。そのため、以下は(当たり前ですが忖度全くなしの)「自分はこう感じた」という個人の感想であることを先に述べておきます。

ページ送りの速さは問題ない

kindle paperwhiteを買う前に一番気になっていたのは、ページ送りの速さでした。結論から書くと、実際に使ってみたところ、ページ送りの速さはスマホには及ばないものの、小説を読む分には全くストレスにならないレベルでした。個人的に、kindle paperwhiteをレビューする上でこれが一番重要事項と思います。

kindleはいわゆるE-INK技術を用いた電子ペーパー端末であり、スマホやタブレットとは根本的に異なる種類のデバイスです。そのため、「ページを送る」、つまり次のページに行ったり前のページに戻ったり、といった動作1つ取っても、使用感がかなり異なります。

スマホのkindleアプリで左右にスライドすると、文章全体がそのまま横にスライドし、ページが切り替わります。一方で、kindleの場合は文字が動くということは全くなく、「画面全体が次の内容に切り替わる」という挙動をします。実際に使ってみると、使用感がかなり異なるのがすぐに分かると思います。

ここで重要なのは他でもなく、次の内容に切り替わるのにかかる時間です。kindleは電子ペーパーであるゆえに、(挙動の違いとは関係ないレベルで)スマホほどサクッと切り替わるわけではありません。全体が切り替わるのには0.数秒のラグが発生します。

ただ前述のとおり、小説を読むために実際に使ってみたところ個人的には別に遅いとは全く思いませんでした。文字の大きさにもよりますが、小説の1ページを読むのにはそれなりに(1~数分程度の)時間がかかります。その度に1度切り替えればいいだけなので、読書時間全体に対するページ送りの時間の割合はほぼ無視できるレベルだと感じました。

もしこの速度で遅すぎると感じる場合は、今の電子ペーパー技術ではもうどうしようもないので、紙の本かスマホで読むしかないのではと思います。ページ送りの速度については、YouTubeに検証動画を上げてくれている人がいるので、それは購入前の大きな参考になると思います。気になる人は見てみてください。

ただし、いくつかの理由で漫画を読むのには全く向かないと思います。これについては、記事後半で改めて述べることとします。

目は全く疲れない(個人差はあるかも)

ページ送りの次に重要な点として、目の疲れもまた使用感を大きく左右する要因だと思います。これも結論から書くと、自分の場合は目が疲れやすい感じは全くありませんでした

kindleの購入を検討している人は「紙と比べて目が疲れて、長い時間読めないのではないか」と必ず一度は思うはずです。僕もそれは購入前にかなり懸念していて、使ってみるまで分からない要因でした。

これは本当に個人的な感覚ではあるのですが、kindleと紙でどちらが目の疲れやすいかと聞かれても、正直同じです。電子ペーパーと紙である以上見え方は多少違いはするものの、文字の視認性や目の疲れという点でいえば変わりないように感じました。

個人的には目の疲れやすさを媒体ごとに比べると下記のような感じです↓

紙≒kindle端末 > スマホ≒タブレット >> PCディスプレイ

ただ思うに、僕は目が疲れにくい方だと自分で思います。ゲームをしたりドラマを観るのにずっとPCのディスプレイを見続けることも出来ますし、数時間書けてこうしてブログを書いたりも出来ます。なんならスマホのkindleアプリで小説を読むのもそんなに苦ではないとさえ思っていました。

なのでkindleの目の疲れについては、ディスプレイ耐性のない方だと多かれ少なかれ感じ方は違うだろうなと思います。こればっかりはもう、実際に使ってみないと分かりません。1つ言えるとしたら、現状スマホでもそこまで問題ないと感じるなら、kindleだと(画面の大きさも含めて)さらに読みやすく感じるのではと思います。

補足として、暗闇の中でバックライト使って読んだら流石に目は疲れます。僕はそういう目に負荷がかかる読み方はそもそもしないのですが、一応言及しておきます。

小説だけなら8GBで十分足りる

kindle paperwhite(11世代)にはストレージ容量が16GBと8GBのモデルがあります。僕は完全に小説しか読まないので、8GBでも全く問題ないどころか、どうやっても使いきれるわけがないくらいでした。

以下にざっくりとしたシミュレーションをしようと思うのですが、8GBモデルだと500ページの文庫本が3,000冊以上入ります

8GBのうち2GBくらいはシステムなどで使うので、kindle本に使えるのは実は6GB(6,000MB)くらいです。

今たまたま読んでいるドストエフスキーの「死の家の記録」は509ページでおよそ1.64MBなので、かなり多めに見積もって、500ページで2MBと仮定します。

6,000MBの容量に対して、2MBの本は、6,000MB÷2MB=3,000冊入ります。ページ数でいうと150万ページ。

果たして、500ページの文庫本を3,000冊も同時にkindleに入れておかなければならない状況があるのか。kindleが寿命を迎える前に150万ページも読めるのか。

答えがYESなら16GBを購入するべきかもしれませんが、僕は8GBで十分です。

ちなみに、ワンピース(漫画)だと1冊で200MBくらいなので、6GBに対して30冊くらい入ります。ただ後述する理由によって、わざわざ kindle paperwhiteで漫画を読む理由はないと思います。

「広告なし」にしない理由はない

製品として良かったところ、というわけではないですが、「広告なし」にして正解だったと思います。正直、たかだか2,000円をケチって毎回毎回広告を見るのは全く割に合わないと思います。

kindle端末を買うということは、その後kindle本をそれなりに買うということです。kindle本の値段というのは文庫本でも500円以上します。そういった今後必ず発生するkindle本の購入費用と、広告あり・なしの差額2,000円を比べたとき、わざわざ広告ありを選ぶのは非合理的な感じが否めません。

もちろんこれもまた個人の価値観によって正解不正解は変わるでしょうが、これからkindleで本を読みたいという方には、騙されたと思って「広告なし」バージョンを買うのを強くおすすめします

機内モードがある

kindle paperwhiteには、無線通信(Wifi)機能を無効化する「機内モード」があります。これはけっこう便利な機能なのではと思いました。

というのも、スマホなんかも含めてこの手のデバイスは、なるべくバッテリー残量を消費させず、次の充電まで長く使いたくなるものです。そこで機内モードをONにする、つまり通信できなくすることによって無駄な電力の消費を抑えられます。

機内モードを使うことでどれだけ電力の節約になるのか、定量的に測ったわけではありません。ただ理屈の上では確実に節約になるのと、そうなっているはずだという安心感を得られるのはメリットだと思いました。

もちろん、通信できない状態ではその分使える機能が制限されます。ただ、僕はただ小説を読みたいだけなので、ハイライトの同期みたいな処理は一切必要ありません。新しくkindle本を買って読み始める場合は、そのときだけ機内モードをOFFにしてダウンロードすればいいだけです。

そういうわけで、機内モードは(自己満足的なところは多少否めないとしても)かゆいところに手が届く便利な機能だという印象を受けました。

kindle paperwhite(11世代) 気になったところ

端末自体の値段

僕が買ったとき、kindle paperwhiteの広告なし8GBモデルは約19,000円でした。悪いところまでは言いませんが、本を読むためだけのデバイスに2万円というのは、決して安いとはいえないというのが僕の正直な感想です。

買ったこと自体は全く後悔していないどころか電子書籍の読書がより快適になったので満足しています。ただデバイス自体で見たときのコストパフォーマンスは高くはないと思います。

こういう言い方をするのは野暮かもしれませんが、読書を快適にするという目的が主ではあるにせよ、いわゆるガジェット欲を満たす側面も大きいかなと思いました。少なくとも、読書が特別好きではないという人が買うものでは決してないと思います。

漫画には向かない

これまで何度か触れたとおり、kindle paperwhiteは漫画を読むには全く向かないと思います。

というのは、漫画、つまりイラストでページ送りする場合、一度画面が白黒反転するのと、小説以上にページ送りのラグを感じるからです。言葉だと分かりづらいでしょうが、この挙動についてもYouTubeで検証動画を探せば見つかると思います。

僕自身、漫画目的で買ったわけではないですが検証のために手持ちのkindle漫画本をDLして読んでみました。その上での正直な感想としては、現状の技術水準では(上位モデルはどうか分かりませんが)kindle paperwhiteは漫画を快適に読めるレベルには全く達していないと思います。他にも媒体・デバイスの選択がある中でわざわざこれを選ぶ理由が分かりません。

イラストである以上、小説と比べて容量が大きく、一度にDLしておける数が少なくなるというのは漫画が必然的に持つデメリットです。しかしそれ以前の問題として、ページ送りの挙動が紙と比べて不自然すぎて実用に耐えません。

そういうわけで、漫画メインでkindle paperwhiteの購入を検討している人に対しては、個人的には全くおすすめできないと述べておきます。

文章ハイライトの使用感は良くはない

kindleアプリと同じように、kindle端末でも文章をハイライトすることで、後で振り返るためにまとめるが出来ます。ただ、その「ハイライトする」という行為がけっこうやりづらい印象を受けました。

まず、kindleはスマホやタブレットと違って動作が根本的に1テンポ遅いです。そのためハイライトをするにもスマホほどスムーズにはいかずテンポの悪さを感じます。

それに付随して、思ったところにマーカー(始まりと終わり)を合わせるのも簡単ではありません。特にページをまたぐ場合は致命的だと感じました。スマホのkindleアプリでもやりにくいとは思っていましたが、kindleだともっとやりにくいです。

端末自体の動作速度がスマホと比べて遅いことによって、そもそもハイライト一覧を表示するのも同様にスマホほどスムーズではありません。

これらの理由から、ハイライトを積極的に活用して学習のためにkindle paperwhiteを用いるのは全くおすすめできないと思います。

こう書くとだいぶ使い勝手が悪い印象を与えるかもしれませんが、これはあくまでハイライトの使用感についての話なので小説を淡々と読む分には関係ありません。よって、「ただ小説が読みたいだけ」である僕にとっては大して問題のない要因ではあります。

補足すると、辞書を引くために単語をハイライトする際には、辞書にある項目をある程度自動で検出・選択してくれる機能があるようで、これについてかなり使い勝手がいいです。
(つまり辞書にない単語は優先的に選択されない)

バッテリー低残量時にコンセントから充電できないことがある

これは極めて個人的なケースなのですが、購入後3日目に起きた問題を通じて、バッテリーが極度に少ないとき、コンセントから充電できなくなることがあると分かりました。

そもそもバッテリーを空にせず、そうなってしまった場合はPCに接続して充電するという方法で簡単に対策できるのですが、こういうことも起きるようです。

また、さらに個人的な問題として、ある一晩のうちにバッテリーが80%からほぼゼロになったという問題が一度起きました

これらの問題については、1つの記事として独立してまとめています。

【関連】Kindle Paperwhite「バッテリー残量が低下しています」の対処法と考察(備忘録)

どの程度再現性がある現象なのか僕の立場からは言えませんが、一応こういうことがあったと当レビューでも一言しておくこととします。

特にバッテリーが一晩でほぼゼロになった問題については、それ以降起こっていないので、何が原因だったのか、どう対処すべきだったのか全く不明です。

画面保護シートとカバーについて

kindleを使う上で、シートとカバーをつけるかどうかは悩ましいポイントだと思います。

僕は考えた末に、画面保護シートを貼った上で、手帳型のカバーもつけるという一番厳重な使い方をすることにしました。ちなみにほぼ家のみでの使用で、極稀に外にも持ち出すこともあるといった使い方をしています。

実際に使ってみたところ、シートはあって損はないものの、カバーは一長一短だと思いました。

まず、画面を保護するシートについて。これは実用的な理由というよりは、スマホに代表されるこの手のデバイスには保護シートを貼らないと落ち着かないという、感覚的・精神的な理由で使うことにしました。

画面が傷つくこともなく、指紋などで汚れても気軽に掃除できるのはやはり大きなメリットです。シートを貼らない本来の画面にどれだけ指紋がつくかなどは、その状態で使っていないので不明。

シート代がかかるのが唯一デメリットで、僕が買ったのはナカバヤシ製のシートは1,350円でした。ただ、この最初の出費を許容できるなら貼って損はないと思います。

 

カバーについては、純正品は高く感じたのでサードパーティー製の手帳型を使っています。閉じると自動的にスリープモードに入るのが便利だと思って手帳型に決めました。僕が買った製品は1,650円だったのですが、質感を考えると悪くない買い物だったと思います。

本体を丸ごと保護してくれるのがメリットである一方、その分、必然的にデメリットもあります。kindleは薄くて軽いのが長所ですが、カバーを付けるとどうしてもそれが多かれ少なかれ失われます。これはもうトレードオフなのでどうしようもありません。

何が正解ということはないので、カバーのあるなしや、どういうタイプを選ぶかは各自の使い方によって決めるのがいいでしょう。僕は今はこのように手帳型を使っていますが、今後背面だけを保護するタイプも買って試してみたいと考えています。

 

kindle paperwhite(11世代)感想まとめ

総評としては、小説をふつうに読むだけという僕の使い方においては、kindle paperwhiteは満足のいく製品でした。実は買う前は結構悩んだのですが、結果としては当初求めていただけの性能・使用感が得られたので買ってよかったと思います。

やはり(1)ページ送りのスピードが十分実用的なレベルであったことと、(2)紙と比べても目の疲れにくさは変わらなかったことが大きな要因です。こういった使用感のもとで電子書籍が持つメリットも享受することで、以前よりも快適な読書環境が得られました。

一方で、「小説を読む」以外の使い方には向かないとも思いました。小説のついでならまだしも、漫画をメインに読むために購入すのは全くおすすめできません。当然ですが、そもそも読書が好きというわけではない人が買う必要は全くありません。

電子ペーパーデバイスという性質上、向くことと向かないことがはっきり分かれるのが、難しいところだと思いました。やはり実際に使ってみないと分からないことも多いです。1つ言えるのは、僕と同じように小説を読むためだけに購入を検討している方にであれば、かなりおすすめできます。