【XCOM2】大型MOD「LONG WAR 2」をプレイした感想

PCゲーム「XCOM2」の大型MODである「LONG WAR 2」(以下、LW2)をプレイしたのでその感想を書こうと思います。

【参考】LONG WAR 2 – Steam Workshop

先に書いておくと、以下のレビューは全体として否定的なものです。「LW2は面白い」という前提で読むとあまりいい気持ちはしないと思います。あくまで個人の感想として読んでください。

XCOM2の無印と大型DLC「War of the Chosen」は理不尽を感じながらも、トータルでは楽しめました。記憶を消せるなら絶対にもう一度やりたいくらいです。

LW2は無料のMODですが、僕の理解では「半公式」的な位置づけにあるコンテンツのようです。無料のものに不満を言うのもお門違いですが、無印やWotCと比べるとあまりにも見劣りする内容に思います。

結局クリアまで遊ぶことはできませんでした。

LONG WAR 2の良かったところ

LW2は大型MODというだけあって、オリジナルから改良されたポイントが多数あります。まずはそういった変更点の中から良かったものについて。

クラス数の増加

XCOM2ではもともとユニットを特定のクラス(兵科)で育成していくのが醍醐味の1つでした。

LW2では既存のクラスに加えて、以下の4つが追加されます。

  • 強襲兵
  • シノビ
  • 重火器兵
  • 特殊兵

また、既存のクラスについても大幅な変更が加えられており、無印を遊んでからもまた新しい感覚でプレイすることができました。(無印→WotCのときほどではないにしても)

実際に使うかはさておき、スタメンが決め打ちにならない程度にちょうどよいクラス数になったと思います。

アビリティ数の増加

クラスが増えたのと同時に、昇進時に選べるアビリティも増えています。

無印やWotCでも、ユニットが昇進するごとに、そのクラスの2つのアビリティのどちらかを選ぶことができました。これによって、同じクラスでもユニットごとに個性が出てきます。

LW2では昇進ごとに選べるアビリティが3つになり、さらに多様な育成が出来るようになりました。

育成の面白さがぐっと底上げされ、いわゆるビルドを組んでいくゲームが好きな人にはより刺さるようになったと思います。

敵が賢くなった

LW2では敵ユニットがより戦略的な動き方をするようになっています。

無理に突っ込まずにあえてその場で監視したり、不利な場面では退却して他の分隊に混ざったり。挙動が劇的に変わっているわけではないのですが、しばしば違いは感じます。

これによって難易度が理不尽に上がっているわけではありません。純粋にストラテジーとしてのやりがいが増していると思います。

遮蔽が固くなった

良かったところで書くべきか微妙ですが、LW2の遮蔽は無印よりも固いです。

特殊なアビリティや進んだアイテムがないとなかなか壊れません。これは特に序盤の難易度を上げる変更といえます。

見方によっては、遮蔽を壊す→銃で撃つというシンプルな手が使えなくなったので、これはこれでやりがいが生まれました。

新しく追加されたアビリティを駆使しながら、遮蔽に隠れた敵をあの手この手で何とかする必要があります。

LONG WAR 2の良くなかったところ

ほとんどが撤収型ミッション

LW2をプレイしていて一番辟易したのが、ミッションのほとんどが撤収型だということです。

ミッションの締めでは固定回収地点かフレアで指定した場所にユニットを動かし、全員で撤収しなければいけません。

「Evac All」という一斉撤収MODを使えば最後の手間だけは楽になりますが、その前の集合させる作業がとにかくだるい。しかも撤収そのものにはテクニックはほとんど関係なく、ただの作業です。

【関連】XCOM2 UI改善&時間短縮MODの紹介【おすすめ順】

無印やWotCではオブジェクトや敵を破壊したら終わりというミッションの方が多く、回収タイプの方が少なかった印象です。

それと比べるとLW2はプレイのテンポが悪く、ある程度慣れると面倒くささの方が勝つようになってしまいました。

 

また、撤収型ミッションでは倒した敵の死体が手に入りません。これは無印と同じです。

つまりLW2ではほとんどのミッションで死体が手に入らず、解剖による研究が進まない・死体売却による金策ができない、といった事態が起きます。

そういうバランスに調整されているならいいのですが、プレイした限りではそういうわけではなく、ただ単純に死体不足に悩まされるだけでした。

潜伏システム

LW2ではミッション開始前の「潜伏」というシステムが追加されています。

これはミッションに出撃させるユニットを一定期間「潜伏」させることで、敵の数を減らす、フレアによる回収までのターン数を減らす、という仕組みです。

このシステムによって複数の分隊を異なるミッションに同時に駆り出す、という遊び方が出来るようになりました。

 

しかし、この潜伏システムはゲームとしての面白さにほとんど貢献していないように思います。

一見すると潜伏は「ミッションの難易度を下げる活動」なのですが、実際のところは「潜伏度を100%まで高めてようやく相応の難易度になる」が正しいです。さらに時間をかけて100%以上にすると明確に簡単になります。

つまり潜伏はほぼ強制的にやらされるものでしかなく、事実上プレイヤーの裁量でやるやらないを選べるものではありません。極論、潜伏度0%でミッションを始めるととんでもない数の敵が出てきます。

またグレネード兵や新しく追加された重火器兵などは潜伏に必要な日数を増やすというペナルティがあり、部隊に組み込みにくいのが現状です。これは理屈としては分かるのですが、ゲームの面白さとしてはよく分からない仕様。

 

異なる分隊を複数のミッションに同時に送り出す…というのはレジスタンスの雰囲気としてはいいのですが、実際やってみて面白いかというとこれまた微妙。

というのも、LW2ではたくさんのユニットを用意するのが、次に書くアップグレード周りの仕様のせいで極めて大変なのです。

とにかく潜伏はゲームシステムとして空回りしているだけだと感じてしまいました。

武器の個別アップグレード

LW2では武器のアップグレードが全体に適用されません。これはストックやスコープではなく、磁気やプラズマの話です。

無印やWotCでは、例えば磁気ライフルを作成したら、ライフルを装備しているユニット全員が使えるようになりました。

一方、LW2で全員に磁気ライフルを持たせようと思ったら、特殊アーマーと同じように一人分ずつ作らなければいけません。

無印の資源基準ならまだしも、死体がほとんど手に入らないLW2でこうなると1つの分隊用の装備を整えるだけでも気が遠くなります。

その分長く遊べるという見方もできるかもしれませんが、個人的にはゲームバランスに難があると感じました。

最大ユニット数

LW2では施設を作らなくても1つのミッションに8人のユニットを出せるようになっています。

端的に言うと、操作するユニット数が多くなるとそれだけゲームが面倒くさくなります。これはCivilizationで終盤ユニットの数が増えてきたときの感覚と近いです。

一部のレジスタンス救出ミッションでは追加で5~6人を操作しなければならず、ますます面倒。

潜伏度と少し関係する話でいうと、敵の数が多ければこちらもたくさんのユニットで迎え撃つ…という考え方もできなくはありません。

ただ潜伏度を期限内に100%にするためには、現実問題としてユニットの数を6程度に絞る必要があります。なので8人という限度があまり意味をなしていないように思います。これもよく分からない。

総評

総合すると、LONG WAR 2は無印から改良・工夫した点は多数あるものの、結局面白さに結びついていないシステムが目立つMODでした。

有料コンテンツと比べるのも酷ですが、無印→WotCのような正当な進化ではなかったように思います。

WotC版のLW2である「LWotC」はプレイしていません。

個人的にはXCOM2はWotCで遊ぶのが一番楽しいと感じます。たまにシンプルなゲームシステムを求めて無印で遊ぶと、これはこれで楽しいです。

ただSteamのWorkshopのページを見る限り、LW2の評価は☆5になっているため多くのユーザーは楽しくプレイできているのかなという印象です。

個人的にはハマれませんでしたが、どうせ無料なのでXCOM2無印をクリアした後にでも一度やってみてはいかがでしょうか。

LW2はこちらのページからサブスクライブ(導入)できます↓

【参考】LONG WAR 2 – Steam Workshop

 

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