DLC「Odyssey」のネタバレを大量に含みます。完全に手探りでやりたい方はご注意ください。
コロニーシムの傑作RimworldのDLC「Odyssey」を発売から1年近く経ってようやく購入してクリアしました。今回の記事は、そのプレイの記録兼レビューとなります。
総評としては、他のDLCとはまた別の方向性にゲームを拡張する素晴らしいDLCだと思いました。これまでのDLCで一番好きです。他のDLCもちょいちょい触ってはいたのですが、それらは基本的にModのように小~中規模のコンテンツを追加するという方向性だったように思います。しかしOdysseyでは移動拠点グラヴシップでの旅と独自クエストの壮大さという点で、バニラではあり得なかった体験が出来ると感じました。
個人的に期待していたFactorioのDLC「Space Age」が極めて面倒くさい要素が多く、Odysseyも宇宙絡みということで敬遠していた感があります。ただOdysseyについては今回気になって購入とプレイをしてみて正解でした。めちゃくちゃ難しいと思いながらどうにかクリアまでこぎつけた感じだったのですが、エンディングはその分だけ達成感がありました。バニラをしゃぶり尽くした人でも楽しめる内容だと思います。
今回のプレイは個人的に久しぶりだったのと、高難易度クリアに魅力を感じなかったため、ストーリーテラーを「フェーベ」、難易度を「アドベンチャーストーリー」としました。
露骨に難易度を下げるModは使っていませんが、ほぼ何でも再配置可能になる「Minify Everything」とスキルの低下を無効にする「Mad skills」は少々難易度に影響したかもしれません。
今回はOdysseyの要素を楽しむことを目的としているので、ロケット打ち上げを目指すのではなく、固有クエストのクリアを目標としました。また、同じ理由で他のDLCは無効にしました。
ゲームバージョンは最新。セーブ&リロードは使います。
【Steam】RimWorld – Odyssey
定住しないプレイが新鮮、かつ面倒ではない
これまでのRimWorldは、ある1つの地点に拠点を築いてロケットを打ち上げるというのがおおまかなプレイ内容でした。キャラバンなどで遠征することはあっても、コロニーの場所自体を何度もガラッと変えて定住地点を移すことはほぼなかったと思います。
Odysseyでは定期的にメカノイドの襲撃があるため、基本的にはその襲撃の前に逃げるように別な場所に船で移動することになります。そう聞くと「定期的に移動するのは面倒ではないのか」と思いそうなものですが、実際にやってみると襲撃は全く面倒には感じませんでした。
というのも、まずこれらの定期的な襲撃は10日以上の余裕を持って通知が入ります。着地した瞬間にいきなりメカノイドの襲撃、ということはありません。(通常の襲撃はいつでもあり得ると思う)
そしてその通知が来るまでに10日以上の猶予があるため、合計すると20数日以上同じエリアで過ごすことが可能です。
このゲームの中で何を目指すかは人によるかもしれませんが、Odysseyのメインクエストクリアを目指すなら、メカノイドの襲撃の間隔は十分長く設定されていると感じました。
デビルストランドの栽培は肥えた土でも無理ですが、他のことなら大体問題なくやれると思います。なので個人的にはメカノイドの定期的な襲撃については面倒な要素だと思ったことは一度もありませんでした。
そもそも今回のプレイでは、割と頻繁に自発的に場所を変えて物資を集めることを意識していました。
バニラのプレイでは定住する都合上、フィールドから物資を得ることがだんだん難しくなってきます。周りから掘るものがなくなったら、深部から掘るとか、キャラバンや通信で交易するしかありません。ここはバニラの面倒な一面だったように思います。
一方、Odysseyではむしろそこが逆転します。新しいエリアに降下するとそこには全く手つかずの環境があるため、地面にあるものなら何でも集め放題となります。バイオームにもよりますが、鉱石、肉(動物)、自生ヒールルートなど。
岩の多い地帯を狙って降下したことで、プラスチールやゴールド、ウランのような、買うと高価な鉱石も掘るだけでかなりの量が手に入りました。ここはOdysseyならではの美味しいポイントだと思います。
そういうわけで全体を通してアイテムを集めやすい環境になっていました。
ここでもう一つ大事なのは、グラヴシップでの移動が面倒ではないということです。RimWorldの開発者は「面倒」と「面白さ」のバランスを考えるのが上手いと思います。
グラヴシップで移動するには燃料として「バイオ液化燃料」を使います。これはバニラのときから存在するアイテム。
この燃料の入手は簡単で、生野菜、生肉、それらを混ぜて作れるペットフード、木材のような素材から精油施設で作れます。これらは(よほど厳しい環境でない限り)エリアの移動を繰り返す度にたらふく手に入るものなので、移動→燃料補給というサイクルがスムーズです。しかもグラヴシップの性能が上がったり燃費を良くするパーツをクエストで手に入ったりするとこれがさらに楽になります。
例えば、サブクエストの報酬として手に入る「燃料最適化装置」を船に組み込むと、燃費が上がります。つまり、より少ない燃料で長く飛べるようになります。
他にも大型スラスターのようなパーツを拡充していくことで航続距離が伸びたり、エンジンの冷却期間が短くなったりと、船での移動がどんどんやりやすくなっていきます。このように、クエストをこなして船をアップグレードしていくとプレイフィールが良くなっていくので、ゲーム全体を通じて船の改造はかなり楽しめました。
宇宙空間までいくとさらに「真空」対策が必要になるのですが、それもそんなに難しいことではありません。特に囚人抜きの人間だけなら全員真空スーツとヘルメットを着ればいいだけなので簡単です。
ただし真空対策の性質を考えると、Odysseyではペットの運用はバニラよりも少し大変になった感はあります。なので僕は今回のプレイではクリアまでペット無しで進めました。それでもなんとかなりました。
グラヴシップの設計が面白い
グラヴシップで定期的に拠点を移動することになるため、これまでのようにコロニーを作るというよりも、コロニーをグラヴシップに詰め込むようなプレイになります。
最初は土台が足りないので必要最低限の設備しか乗せられません。しかしOdysseyのクエストをこなしていくと特殊なアイテムがもらえて、船を大きくしていくことが出来ます。限られたスペースをどのように使うのか考えるのも個人的には面白いと感じました。
これはバニラでも重要だった「コンパクトなコロニー設計」とも関連してくると思います。というのも、RimWorldは資産の量が増えると敵の襲撃も増えるゲームです。そのため「いかに資産を無駄に増やさないか」が重要になってきます。すると必然的にコロニーをコンパクトにすることが有効となります。
Odysseyではグラヴシップという限られたスペースにコロニーを詰め込んでいくこととなります。するとここでも「コンパクトなコロニー」がある程度自然と実現されることになります。
僕はバニラの頃からなるべくコロニーを小さくすることを意識していました。ロールプレイ(ごっこ遊び)にはあまり興味がなく、純粋にゲームクリアを目標としていたからです。そのためかは分かりませんが、今回Odysseyではスペースの問題であまり苦労は感じませんでした。
これが最終クエスト直前の船の全体像なのですが、改めて見返すとツッコミどころが多すぎて我ながら笑えます。色々とツギハギで作ったのと、これでもどうにかなってしまったので、結局最後までこんな形で通しました。
またOdysseyに挑戦する機会があるかは分かりませんが、その時はもっと上手く組んで見ようと思います。
Odyssey固有の敵と対策
Odysseyの固有クエストではこれまでにない強敵や厄介な敵が登場します。これらの敵はしっかり対策をしないといけないバランスになっていて、実際にプレイしてみたら分かると思いますが適当にやっていたらえらいことになります。
ハンタートラップ:キャラクターを見つけると光の速度で接近してきて爆発する。一度詰められるとキャラの移動では避けられません。対策はシールドを装備することです。ハンタートラップの爆発は遠距離攻撃扱いとなっているようで、どれだけ近くで爆発してもシールドが有効であればダメージを無効化出来ます。
ワスプ:ハンタートラップと同様にキャラクターに接近してきてスタンさせてくる厄介な敵。一対一だとスタンでハメられます。よって近接役である程度のダメージを覚悟して引きつけつつ、後衛の射撃で倒すのがいいと思います。
サイクロプス:長めの準備時間の後で壊滅的なビーム攻撃をしてくる強敵。まともに食らうと大ダメージ必至。バニラのメカノイド(パイクマンなど)と同様に近接役に一気に接近させればそのキャラクターと近接格闘を行おうとするので、例のビームを防げます。接近時に他の敵からの被弾を避けるためにシールドはとても有効です。まともに撃ち合うのではなく、そもそもビームを撃たせないのが大事。近接役と格闘している間にチャージライフルを叩き込んで瞬殺するのがいいと思います。
ハイブクイーン:巨大な昆虫型の敵。酸を吹きかけてくる範囲攻撃をしてくるのであまり全員で固まらない方がいいと思います。ハイブクイーンと戦う時は混戦になるのは避けられませんが、やっぱりここでも近接役でヘイトを集めている間に高火力を叩き込むのが有効。
こうして振り返ってみると、Odysseyでは近接役の重要性がバニラよりやや高いと見ていいと思います。通常の拠点を防衛するような場面だけでなく、クエストでこちらから乗り込んで行く場面がとても多いです。そこでこういった強敵の相手をすることを考えると、バニラよりも近接の割合を増やした方がクリアしやすいと思います。
難易度や資産で最終クエストの規模が変わるのかは分かりませんが、どれだけ少なく見積もっても近接役は2人はいないとやってられない印象です。
装備としては、チャージライフルやレコンアーマーまできっちり揃えると安定感が増すと思います。
Odysseyの固有クエスト
今回のプレイでは通常のロケットクリアを目指さず、Odysseyのメインクエストクリアを目標にしました。
途中のサブクエストもかなり骨太で、最終クエストに関しては特に高難易度だと感じました。どれだけ高いスキルを持っていて強力な装備を用意していたとしても、ただ単に突っ込んで勝てるものではありません。
流れとしては、まず定期的に発生するサブクエストをこなして「重力コア」と「重力軽量パネル」を集めていく形となります。
これら2つの素材は船自体のアップグレードにも必要ですし、最終クエストの惑星に降り立つために必要な「シグナルジャマー」の建設にも使います。
得られるアイテムが必要なだけでなく、(検証はしていませんが)このサブクエストのクリア自体が最終クエストに繋がるフラグになっている感じもします。よって順当にサブクエストを一つひとつクリアしていくのがいいと思います。
重力コアが手に入るサブクエストも色々なものがあります。モノによって難易度がかなり違うので、(内容が分かればの話ですが)敵が弱いクエストからやった方がスムーズとなるでしょう。
例えば、敵がハンタートラップ、ワスプ、タレットだけのクエストだと対策さえ怠らなければ割と簡単にクリアできるはずです。
一方で、強力なメカノイドに守られた重力エンジンを破壊するクエストや、洞窟の奥深くまで入り込んでハイブクイーンを倒すクエストなどは特に大変に感じました。
この辺りはしっかりした装備を整えていないとかなり厳しいと思います。なるべく後回しにしたいです。
これはクリア後の画面なのですが、僕の場合、メインクエスト配下のサブクエストを7つクリアした辺りで最終クエストが発生しました。見てのとおりまだクリアしていない8つ目のサブクエストもあります。想像ですが、最終クエストをクリアしない限り定期的に発生するのではないかと思います。
最終クエストではメカハイブという宇宙空間のエリアに殴り込みをしかけます。前述のとおり、ここに接近するにはシグナルジャマーが必要。
最終クエストでは、メカノイドだらけの宇宙空間で「セレブレックス・コア」にインタラクトするために、その周りの「スタビライザー」を3つ破壊することになります。
それぞれのスタビライザーはそれぞれ別々な建物に配置されており、内部にはサイクロプスのような強力なメカノイドが複数います。しかも、スタビライザーを破壊すると直後に防衛反応としてメカノイドの空襲が発生します。これも厄介。
障害物があるので船で着陸できるのはエリア端になり、スタビライザーがある建物は3つに分かれていて移動も必要です。各戦闘で負った傷の治療も考えると、全てを1日で破壊するのはたぶん無理でしょう。
なので数日かけてじっくり攻略していくことになると思います。
敵の対策の項目で書いたとおり、「近接役を接近させて敵の遠距離攻撃を封じる」という戦略が有効です。というかこの仕組みを使わないと敵とまともに撃ち合うことになるので難易度が一気に上がると思います。
スタビライザーを3つ破壊すると、エリア中央のセレブレックス・コアにインタラクトできるようになります。ちなみにこの周囲にもメカノイドがいて、しかもメカノイドを無限湧きさせる破壊不能の設備まであります。
選択肢が表示されるのですが、今回は「コアを破壊」を選びました。コアの脳みそみたいな形といい、最後の選択肢といい、Buldar’s Gate 3を思い出しました。
最終決戦みたいなものはなく、短い時間のインタラクトによってクエストが完了。途中で一度投げ出しかけたので、クリア画面を見たときは感無量でした。
このように書くとクリアまでスムーズに進んだようにも見えるかもしれませんが、実際は数え切れないくらいセーブ&リロードを使っています。流石に未知の要素が多すぎたのと、そもそも僕がリムワをそんなに上手くないということもあり、何もかも一発でやるのは絶対無理でした。
実プレイ時間は22時間弱くらい。1周するだけでここまで遊べるのですから、とてもコスパのいい娯楽だと思います。
ゲーム内年数は2年と少しくらいでした。
Odyssey 総評
総評としては、DLC『Odyssey』は個人的にこれまでで一番満足度の高いDLCとなりました。もっと言うと、僕がリムワのDLCとして求めていたのはこういう内容だったのだとも思います。
Odysseyの面白い点は、バニラとは全く違う方向性でゲームの目標を与えてくれる点です。サブクエストから最終クエストに至るまでの動線が分かりやすく、なおかつそれぞれに明確な報酬があります。全体のボリュームも個人的にはちょうどいいと思いました。
前述のとおり、このDLCによって追加された要素に、面倒な部分があまりなかったのはやはり重要だと思います。一般的に言って、いくら新しい要素とはいっても、あまりにも面倒な仕様であればそれが楽しさを上回り、結果として面白くないコンテンツに感じられてしまうことがあります。分かりやすい例としては、FactorioのSpace Age。
その点、Odysseyではグラヴシップの設計、航行、クールダウンや燃料などの制限、宇宙空間の真空といった各要素について、面倒な部分が意図的にカットされているという強い印象がありました。開発者としても、「ここでリアルを追求しすぎると面倒になり過ぎてしまう」と感じたのではないでしょうか。僕はだいぶ面倒くさがりな人間なのですが、それでもOdysseyはゲームとしての面白さが重視され、多少の制限を課しつつも良い感じに面倒が省かれていたと思います。
アイテムが集め放題な点についてはむしろ難易度が緩和されていると言っていいと思います。ペットの運用が難しくなったり長期的な農業がしづらいという制限はありつつも、船で新天地に行く度に素材を大量に確保できるので、トータルではプレイヤーに大きく有利だと感じました。
そういうわけで、おすすめかどうかで言えば間違いなくおすすめです。既存のRimWorldのコンテンツをやり尽くしたという方でも、新しい目標とゲームシステムによって新鮮なプレイ体験が得られると思います。
一方で注意点としては、Odysseyはやや高難易度寄りのコンテンツだと思います。資源の集めやすさなど簡単な点もあるのですが、メインクエスト周りの厳しさはバニラにはなかったものを感じます。その要因として、拠点を守ればいいだけでなく、こちらから能動的に殴り込みを仕掛ける必要があるのは大きなポイントでしょう。Odysseyをクリアした後にもう一度バニラで遊んでみたのですが、同程度の難易度でもバニラの方が簡単すぎて拍子抜けしました。
よってOdysseyは、RimWorldを初めて遊ぶ方がいきなり入れるDLCではないと思います。バニラの要素を一通り楽しんでから、その知識を応用してプレイするのをおすすめします。
2026年7月現在、Odysseyの価格は2,800円で大幅な値下げもありません。ただその値段の価値は間違いなくあると僕は思います。おすすめです。
【Steam】RimWorld – Odyssey



















