この記事では、漫画『ジョジョの奇妙な冒険 Part2 戦闘潮流』から個人的に名言だと思ったセリフや印象に残ったシーンをピックアップします。
引用箇所について感想と簡単な補足をしていくので、ネタバレ的な内容はあります。なので、この記事をご覧になるのは一度原作を読んでからの方がいいと思います。
紹介する順番はおすすめ順ではなく、出てきた順です。
第一部に出てきた名言の派生系
くらえ!
ブッ壊すほど…
シュートッ!(文庫版第4巻 p.101~102)
ジョジョがストレイツォに一撃を食らわすシーンのセリフです。
一見何でもないセリフに見えますが、これは実は第一部に登場した印象的なセリフの派生形になっています。
第一部にて、「ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!!おおおおおっ 刻むぞ血液のビート!山吹色の波紋疾走!!」というセリフが出てきます。
これは個人的に気に入っているセリフです。ジョジョ特有の躍動感が滲み出ていて戦闘シーンに花を添えていますね。
第二部で飛び出したセリフはこれと語呂が似ているので、第一部と第二部のつながりをちょびっと感じさせるワンシーンと言えるでしょう。
このように、ジョジョは前から読んでいくと分かるポイントがちょいちょいあるのでやはり順当に第一部から読んでいった方がいいですね。
シュトロハイムの名言
だが我がドイツの医学薬学は世界一ィィィ!
できんことはないイイイーーーッ!!(文庫版第4巻 p.164)
ナチスドイツの軍人シュトロハイムはジョジョ第二部で登場する重要なキャラクターです。
彼がスピードワゴンに自白剤を使い、情報を吐かせたときに言い放ったのがこのセリフ。第二部でいちばん有名なセリフを1つ挙げるとしたらこれじゃないかと思います。
シュトロハイムはなかなか面白いキャラクターでして、シリーズ全体を通して個人的に特に好きな人物の1人です。
で、彼のセリフの中でも特に好きなのがこれです。このが躍動感たまらない。
これはどちらかというとおもしろ系の名言で、ネタツイなどへの流用もしやすい部類だと思います。
ちなみに、この後にも同じようなセリフが2回ほど登場します。
「ナチスの科学は世界一チイイイイ!!」
(文庫版第6巻 p.112)「我がナチスの科学力はァァァァァァァアアア
世界一ィィィイイイイ」
(文庫版第6巻 p.130)
シュトロハイムは初登場時の戦闘で木っ端微塵になり死んだかと思われますが、後にナチスの力でサイボーグ化して戻ってきます。
上の2つのセリフは2回目の登場後、カーズとの戦闘シーンで出てきます。
微妙に違うのは、最初は「医学薬学」だったのが、2回目以降は「科学(力)」になっているところですね。
マルクの盛大なフラグ
そ…それがですね
来週ですね
ドイツへ帰ったら結婚するんス ボクたち―――(文庫版第5巻 p.53)
これはけっこう悲しいセリフ。
ジョジョたちを遺跡に送り届ける役割のマルクという名のドイツ兵が脇役として登場します。
車で向かう最中にツェペリが「祖国の恋人は元気か?」と聞いたところ、マルクが上のように答えます。
これだけだったら幸せなワンシーンで終わるのですが、このすぐ後のシーンでマルクは無残にも殺されてしまいます。
つまり、マルクの微笑ましいセリフはこの絶望的なシーンへのフラグになっているのです。
ジョジョシリーズでは胸を締め付ける悲しいシーンがよく出てきますが、これもその1つですね。
初めてのジョジョ立ち(?)
マルクが殺されたシーンの直後、シリーズ初のジョジョ立ちが登場します。
一口に「ジョジョ立ち」と言っても、一般にはいくつかのバリエーションがジョジョ立ちとして認知されています。
しかし個人的にジョジョ立ちとは、
「右手を斜めに下ろし、左手は開いて顔の前にかざすポーズ」
がスタンダードだと思っています。
で、このスタイルのジョジョ立ちが初めて登場したのが文庫版第5巻のp.74~75です。
(僕が見落としていなければ)
実はここでスタンダードなジョジョ立ちをしているのはジョジョ(ジョセフ・ジョースター)ではなく、共闘しているシーザー・ツェペリの方なのです。
ジョジョは同じコマの中で別なポージングをしています。これもカッコいい。
ジョジョ立ちには「これから大きな何かをする」という意志がジリジリ現れていて、ストーリーの迫力を一層大きくしていると思います。
セリフの言葉選びだけでなく、ポーズという視覚的な要素も天才的なセンスを感じますね。
ジョジョ立ち再び
場面は変わってリサリサの試験を受けている最中にジョジョ自身もジョジョ立ちをします。
上でシーザーが見せたポーズと若干違うのは、右手を軽く開いて折っているところ。一件同じようなポーズにもバリエーションがあるようです。
このシーンも「これから大きな何かをする」場面です。
常に油が垂れてくる石柱を波紋の力で登るとき、ジョジョはツェペリの助言を思い出します。指先に波紋を一点集中させることを思いつき、ジョジョ立ちを決めた後に張り付くことに見事成功。
仮にジョジョ立ちの1コマがなかったとしても、このシーンは普通に成立します。ジョジョの面白いところは、ジョジョ立ちのような「ワンクッション」が大きなコマとして挟まることでシーンを盛り上げているところです。
僕は漫画家でもなければ漫画研究家でもありませんが、上手いテクニックだなと思いました。
ツェペリ散る
おれが最後にみせるのは代々受け継いだ未来にたくすツェペリ魂だ!
人間の魂だ!(文庫版第6巻 p.319)
予め断っておいたのでネタバレをすると、ワムウとの激闘の末、ツェペリは死んでいまいます。
しかし解毒剤をジョジョにたくすため、最後の波紋を振り絞りシャボン玉を作ります。上のセリフはこの直前のセリフです。
このシーンをはじめ、主要キャラクターが死ぬ場面は毎回読んでいてシンドいものがありますね。
第一部でも、祖父にあたるツェペリがジョジョに希望をたくして死んでしまいます。さらに、父にあたるツェペリも戦いの運命の中で既に死んでいます。
なので、第一部から続けて読んでいる方は一層スケールの大きいシーンに見えるのではないでしょうか。個人的には第二部の中で特に印象に残っているシーンです。
おわり
以上、『ジョジョの奇妙な冒険Part2戦闘潮流』から名セリフと印象的なシーンを僕なりにまとめてみました。
第二部はシリーズの中でも特に戦士の誇りが強く描かれた作品だと思います。カーズはともかく、ワムウ・エシディシの誇り高い精神が敵ながらとても好きです。
ネタとしてはジョジョ立ちが初登場するという点で第二部は1つの重要なポイントになっていると思います。
細かい事抜きに本当に楽しい漫画です。もしもまだ読んでいない方がいたらぜひ読んでみてください。