僕が実家から賃貸住宅へ引っ越すにあたって、そこがエレキギターを弾ける環境なのかは懸念事項の1つでした。
実際に賃貸住宅で9ヶ月暮らした今、この問題について僕の経験から書こうと思います。
あくまで一般人の意見なので、不動産の専門家の意見ではないことにご留意ください。
要点を先に書くと下記のとおりです。
- 楽器不可の部屋での演奏はルール違反ではある
- 鉄筋コンクリートでアンプを使わないなら多分大丈夫
住んでいる部屋について
賃貸住宅でエレキギターを弾けるかどうかは、その部屋の構造によるため、一概には言えません。
そこでまずは僕が住んでいる部屋の構造や実際の防音性、契約について書きたいと思います。
鉄筋コンクリート造り
僕が住んでいる部屋は鉄筋コンクリート(鉄コン)造りです。
賃貸住宅の造りは大きく分けて、(1)木造、(2)鉄骨、(3)鉄筋コンクリートの3つに分かれますが、その中でも鉄コンは最も防音性に優れます。
これはギター云々以前に、騒音に悩まされないために部屋選びで最も重視したポイントでした。
この部屋に住み始めて9ヶ月以上になりますが、隣の部屋の生活音は95%聞こえてきません。
建物の構造上、ドアを開閉する音は多少響きます。あと、寝静まったときは隣でシャワーを浴びていたらかすかに水音が聞こえます。
他は特に気になることはなく、騒音問題の点については非常に快適な生活が送れています。
契約上、楽器の演奏は不可
賃貸契約を結ぶ際、この部屋での楽器の演奏は不可であるという説明を受けました。
契約書にもその旨がしっかり記載されています。よって、僕が住んでいる部屋でエレキギターを演奏するのはルール違反です。
部屋選びではあまり選択肢がなかったので、この条件を承知の上で契約しました。
物件によっては、楽器の演奏可の物件もあります。もしトラブルなく本格的に演奏することを重視するのであれば、多少家賃が上がるとしても、演奏可の部屋に住むのが無難でしょう。
以上が、僕の部屋のおおまかな状況・条件になります。
アンプを使わなければ大丈夫
楽器演奏不可の部屋に9ヶ月ほど住んだ上で僕は、この部屋ではアンプを使わない演奏なら大丈夫という結論に達しました。
前述のとおり、この建物の防音性はかなりのものであり、ドアの開け閉め以外の生活音はほとんど漏れてきません。
アンプを通さないで生の音(弦の音)でしばしば演奏しているのですが、これまで苦情の類は受けずに済んでいます。100%断言できませんが、おそらく生の音は隣に届いていないものと思われます。
とはいえ、思いっきり力を入れてコードを鳴らすとか、深夜の演奏(21時以降)はしないようにしています。
時期にもよるのですが、僕はそこまでギターを突き詰めてやっているわけではありません。あくまで気が向いたときに爪弾く程度の趣味です。
なので、このように実アンプを使わない演奏でもそれなりに満足はできてしまっています。
ヘッドホン出力できる機材を使う
機材に精通している人なら分かるとおり、エレキギターというものは必ずしもアンプから音を出す必要はありません。
あたかもアンプから出てきたような音をシミュレートし、ヘッドホンから音を取る方法がいくつかあります。
こういった方法を使うことで、アンプの(ような)音をモニターしつつ、部屋には生の音しか響かないという演奏環境を作れます。
よって、実際にアンプを鳴らせないが生の音は許されるという環境では、ヘッドホン出力できる機材を活用するのが有力な選択肢だと思います。
具体的な方法を簡単に紹介すると、まずは実アンプにヘッドホン出力がついているケースは多いです。
僕が実際に使っていたモデルでいうと、BOSS KATANA MINIという小型アンプにはヘッドホン出力が実装されています。
こういった実アンプのヘッドホン出力はおまけ程度の音質であることは否めません。ただ、シチュエーションによってスピーカーとヘッドホンのどちらも使えるのは便利です。
マルチエフェクターと呼ばれる機材にもヘッドホン出力がついていることがほとんどです。
また、こちらはデジタル寄りの機能面を重視しているため、実アンプのヘッドホン出力よりも音質に優れる印象です。
この手の製品はBOSS、LINE6、MOOERなど多数のメーカーが開発しています。
やや技術的なハードルが高い方法ですが、PCとオーディオインターフェース、アンプシミュレータソフトを使うのは個人的にはおすすめです。
今の部屋に引っ越してきてから、僕はこの環境をメインとしています。
この方法ではエレキギターとPCを接続するのですが、そこで必要となるのがオーディオインターフェースです。マイク録音でも必要になる機材なので、ギターとは関係なく持っている方もいるかもしれません。
僕が使っているのはこちら↓
PC上でアンプシミュレータソフトを使うと、文字通りそこでアンプのような音を再現できます。
様々なプラグインと組み合わせたり、そのまま録音に使ったりできるので、今回紹介する方法の中では特に楽曲制作に向いていると言えるでしょう。
個人的に使っている中でおすすめなのはPositive Grid社のBIAS FXシリーズです。
おわりに
以上、「賃貸住宅でエレキギターが弾けるのかどうか」という問題について個人的な経験から書きました。
結論として、十分に防音性の高い部屋であれば生の音は許される、と僕は考えています。
実アンプを使わなくても、上に紹介したような方法によってそれなりの演奏環境は構築できます。
もちろん契約上ルール違反なのは承知なので、もしも苦情が入ったら部屋での演奏はやめるつもりです。(たぶんないと思いますけど)
ここに書いたことはあくまで僕の部屋の話に過ぎません。
鉄筋コンクリートはよくても、木造だったら弦の音すら許されない可能性はあり得ます。また、そういう壁の薄い物件はたぶん楽器演奏不可です。
極論、楽器の演奏で生活の糧を得ているのであれば、きちんと楽器演奏可の部屋に住むのを強くおすすめします。そうでなくても部屋でエレキギターを弾きたいなら鉄筋コンクリート造りが無難だと思います。