2022年10月 最新版としてv1.7.0.4がDLされる時期の情報に大幅更新
Fallout3(FO3)は2008年に発売された古いゲームながら今でも遊べる名作です。
しかし、新しいWindowsにデフォルトで対応していないこと、日本語化の手順が複雑であることから、気軽に遊ぶことができないのが現状です。
2022年10月、ネットで様々な情報を集めながらFO3をWindows10で日本語でプレイできました。
この記事では、その時の手順を(自分が忘れてもまた思い出せるように)まとめたいと思います。
折りたたんである記述は基本的に読み飛ばしても大丈夫です。
【2021年11月以前とそれ以降の違いについて】
内容の前に、FO3の起動と日本語化のやり方は、2021年のアップデートの前後でだいぶ異なることを述べておきたいと思います。
2021年11月、SteamからDL出来るFO3のバージョンがv1.7.0.3からv1.7.0.4にアップデートされました。
このアップデートによって、MODの基盤となるFOSEが使えなくなり、日本語化に必要な作業もかなり変わりました。
すると必然的に、既存のネットの情報が陳腐化してそのままでは使えなかったり、新しい情報と組み合わせる必要が出てきました。
この記事では、2022年10月にv1.7.0.4のインストールをスタート地点とし、そこから日本語化していく方法をまとめています。
もしv1.7.0.3時代のゲームファイル一式が残っている場合は、全て削除するのをおすすめします。以下では古いゲームファイルがない状態から作業することを前提とします。
Documents/My Games/~以下にあるファイルは消さなくても大丈夫ですが、そこにある以前のセーブデータは使えなくなるかもしれません。
【0】検証環境
僕がFO3のプレイと日本語化が出来た環境は以下のとおりです。
- 検証時期 2022年10月
- 自作PC Windows 10 Home 64bit
- CPU Intel i7-4770
- RAM DDR3 24GB
- GPU AMD Radeon RX6600XT
- Steam版 Fallout 3 Game of the Year v1.7.0.4
このPCはパーツから自作したもので、Windows 10はディスクに保存したイメージからクリーンインストールしたものです。その後のアップデートはもちろん適用しています。
僕のFO3ライセンスは、G2Aというサイト(いわゆる鍵屋)でGLOBAL版のプロダクトキーを購入し、Steam上で有効にしたものです。Steamで普通に購入してはいませんが、どのようにFO3を入手したかについては、当記事の内容と全く関係ないと思われます。
【1】バージョンをダウングレードする
まず初めに、FO3をSteamから普通にインストールします。
すると前述のとおり、2022年10月現在では現時点で最新版であるv1.7.0.4がダウンロード・インストールされます。
この時点でFallout3.exeを実行しても、ゲームが起動しないかもしれません。それでもこの段階では気にしなくても大丈夫でした。
この最新バージョンのままではModを使ったり日本語化が出来ません。そこで必要となるのがゲームをダウングレードするという作業です。
Steamから古いバージョンをDLすることは出来ないため、「Fallout Anniversary Patcher」というソフトを使います。MOD配布サイトNexusModsからMANUALでDLします。
【DLページ】NexusMods – Fallout Anniversary Patcher
これ以降も色々なファイルをDLすることになるのですが、例えば「FO3起動・日本語化用ファイル」などといったフォルダをどこかに用意し、全てその中に整理しておくとなにかと便利です。
~.7zファイルの解凍には「7-Zip」というソフトを使います。
【参考】圧縮・解凍ソフト 7-Zip
DL・解凍したら、~.txt以外のファイルをコピーします。
これらをFO3のインストールフォルダに貼り付けます。まだexeファイルの実行はしません。
FO3のインストールフォルダは、通常であれば
「C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\Fallout 3 goty」
になっているでしょう。
僕の場合はDドライブにインストール先を移しているため、上のスクショでは途切れていますが
「D:\SteamLibrary\steamapps\common\Fallout 3 goty」
になっています。
FO3のインストールフォルダは作業中に参照することになるので、このフォルダへのショートカットを作っておくと便利です。
次に、このパッチを使うのに必要なソフトをDL・インストールします。
【DLページ】Microsoft Visual C++ Redistributable latest supported downloads
おそらく下記の2つが必要なはずです。色々ゲームをやっている場合もうインストールされているかもしれませんが、一応インストールし直すのが無難と思います。
Visual C++のインストールが済んだら、先程コピーしたファイルの一つである「Patcher.exe」を実行します。
すると下記のようなウインドウが出てきて、「~successfully.」と表示されればパッチの適用は完了です。
ここまでの作業により、FO3のバージョンがv1.7.0.4からv1.7.0.3になりました。
この時点で、FO3が起動できることを必ず確かめます。起動できればここまでの作業は成功しています。もちろんまだ日本語化はしていないので英語の状態です。
デスクトップに作成されたショートカットや、インストールフォルダ内のFallout3.exeから起動できるはずです。
ただ、僕の環境ではなぜかFallout3.exeのダブルクリックでは起動できないにも関わらず、ショートカットからは起動出来るという謎の現象が起きました。さらに、一度起動に成功するとその後はexeファイルからでも起動できるようになりました。自分でも意味不明なのですが、こういうこともあるようです。
ショートカットはFallout3.exeを直接実行するのではなく、まず「steam://rungameid/22370」というURLにアクセスする仕様になっています。この違いが功を奏したのではないかと推測できます。
なのでFallout3.exeから起動できない方は、ショートカットやSteamライブラリ上の「プレイ」から起動してみてください。
デスクトップにショートカットがない場合、Steamのライブラリから作れます。
自分はこのようにWin10でも起動するところまで行けました。
ここまでの作業をまとめると、下記の通りです。
- インストールフォルダに古いゲームデータがある場合、全て削除する
- FO3を普通にインストールする
- Fallout Anniversary Patcherのファイルを、インストールフォルダにコピーする
- Patcherに必要なVisual C++をインストールする
- Patcher.exeを実行してゲームをダウングレードする
- FO3が起動できることを確かめる
これらの作業をしてもFO3を起動できない場合、何か見落としがあるか、僕との環境の違いによって上手くいっていない可能性があります。
かつてv1.7.0.3が最新だった環境では、Win10でのFO3の起動にxlive.dllというファイルを別途用意する必要があり、これが重要な要素の一つでした。
しかしv1.7.0.4の環境でパッチを使ってダウングレードする場合、xlive.dllは必要なくなります。これはパッチの適用によってGames for Windows Live(の中のxlive.dll)に依存せず起動できるようになったからです。
よって、現在はもうxlive.dllというファイルについて考える必要は全くありません。
【2】FOSEを導入する
ここまでで「Fallout3をWindows10で英語でプレイする」ということが可能になりました。
日本語化の作業に入る前に、Fallout Script Extender (FOSE)というツールを導入します。
これはMODや日本語化のために必要になるソフトです。
まずはFOSEの配布サイトにアクセスします。
【参考】Fallout Script Extender (FOSE)
「Download」横のリンクからv1.2 b2のFOSEをDLします。
DLしたファイルを解凍したら、フォルダの中にある.dllファイルとfose_loader.exeをコピーします。
これらのファイルを、FO3のインストールフォルダに貼り付けます。
この状態で、Fallout3.exeやショートカットから(重要)FO3が起動できることをもう一度確かめます。起動できればOKです。
かつてv1.7.0.3が最新だった頃は、FOSEの機能を使うには「fose_loader.exe」からゲームを起動する必要がありました。
しかし現在はダウングレードソフトの恩恵の一つとして、Fallout3.exeから起動してもFOSEの機能が使えるようになっています。よって、現環境ではfose_loader.exeから起動する必要はなく、これは特に意識する必要のないファイルの一つになりました。(もちろん消すのはダメ)
これはアップグレード前後の大きな違いの一つです。
FOSEを利用すると、Steamの諸機能が使えなくなるという影響があります。
その代表例として、ライブラリで確認出来るプレイ時間が計測されなくなります。
このデメリットを解消する方法もあるらしいのですが、ちょっと調べた限りだと非常に面倒な印象をつけたので僕はやっていません。気になる方は別途調べてやってみてください。
【3】日本語化ファイルを導入する
FOSEを導入したことで日本語化の準備ができました。
日本語化にはいくつかの段階があるのですが、まずはゲームの大部分を日本語化する作業から進めます。
日本語化ファイルの用意とコピー
まずは下記のサイトから日本語化のためのファイル「FO3日本語化まとめ(20141114).zip」を感謝の気持を込めてDLします。
【参考】Fallout 3 DLC日本語化プロジェクト uploader.jp
検証時には2ページ目にありました。
このアップロードサイトでは、DLリンクは広告の真上にあるので押し間違いに注意。
DLしたファイルを解凍して、「FO3_root」フォルダの中にある3つのファイルとフォルダを全てコピーします。
これをFO3のインストールフォルダに貼り付けます。
プレイヤー名を編集(飛ばしてもOK)
ゲーム中には、自分で決めたプレイヤー名が参照される箇所があります。そこまで文章を完璧にしたい場合、簡単な作業が必要になります。
ただしこれは、実際にゲームを始めてからでも大丈夫です。
また、ゲームのごく一部にしか影響しませんし、やらなくてもクラッシュ等は起きないはずなのでスキップしても構いません。(僕はこの作業をしなくても普通にプレイ出来ました)
作業内容は次のとおりです。
コピーした「FOJP」フォルダ内に「VANILLA_PlayerName_en.txt」と「VANILLA_PlayerName_jp.txt」というファイルがあります。
この2つのファイルの内容には[プレイヤー名]という文字列がいくつか入っています。
これをゲーム内で設定した名前に置き換えて、上書き保存します。
日本語化ファイルのREADMEによると、日本語化を有効にするにはFallout Mod Manager(FOMM)が必要とあります。
しかし、僕の環境ではFOMMを導入しなくても日本語化されました。ちなみに、これはv1.7.0.3のときも同様でした。
よってFOMMの導入は実際のところ必要なさそうなのですが、かつて公開していた手順を一応下記に残しておくこととします。
FOMMを導入する
次に、日本語を有効にするためにFallout Mod Manager(FOMM)というソフトを導入します。
これは日本語化だけでなく各種MODを管理できるツールです。
【参考】Fallout Mod Manager – NEXUSMODS
(Fallout New Vegas用となっているが3でも使える)
このサイトで「Download:」の横にある「MANUAL」をクリック。
NEXUSMODSではプレミアム会員になると速度制限なしにDLできるのですが、普通は会員ではないと思うので「SLOW DOWNLOAD」でDLしましょう。
exeファイルがDLされるので、流れに沿ってFOMMをインストールします。
画面に従うだけなので詳細は割愛しますが、ショートカットを作る設定にしておくといいでしょう。
インストールできたら起動します。
起動するとFO3かFONVを選ぶウインドウが出るので、今回はFallout 3の方をチェックしてOKをクリック。
ここまでの作業が出来ていれば「JPPatch.esp」があるはずなので、これにチェックを入れます。これで日本語が有効になります。
日本語化には下記のソフトウェアも必要ですが、上手くいかなかった時にインストールするくらいでいいと思います。というのも、これらはすでに導入済みであることが多いです。
- Microsoft Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ (x86)
- Microsoft Core XML Services (MSXML) 6.0
僕の環境でも既にインストールされていたようで、別途作業は不要でした。
ーーーFOMMについての記述終了ーーー
日本語化されているか確かめる
ここまで来たらFO3が日本語化されているか確認してみます。
(繰り返すと、fose_loader.exeから起動する必要はありません)
作業が上手くいっていれば、メインメニューから既に日本語化されているのが分かるはずです。
日本語化されているのが確認できたら、字幕の設定をしておきます。
デフォルトでは「その他の字幕」がOFFになっているので、プレイ開始前に「設定→描画→その他の字幕」をONにしておきましょう。
すると、直接の会話以外でもキャラクターのセリフが日本語で表示されるようになります。(OP直後のシーンなど)
ここまでの作業で、ゲーム内のほとんどが日本語になっているはずです。
【4】OP・EDムービーに日本語字幕を表示
OPとEDのムービーでは英語のナレーションが流れますが、ここまでの作業だと字幕がつかないので何を言っているか分かりません。
そこで、これらのムービーにも字幕をつける作業を行います。
(このページで紹介する作業の中で一番やっかい)
字幕ファイルを用意する
まずは先ほども利用した日本語化プロジェクトのサイトから、「Fo3-and-FoNV-イントロED字幕+bikmodv0.3e.zip」というファイルをDLします。
【参考】Fallout 3 DLC日本語化プロジェクト uploader.jp
検証時は3ページ目にありました。
解凍して得られたフォルダ「Fo3-and-FoNV-イントロED字幕+bikmodv0.3e」を、以下では簡単に「解凍したフォルダ」と呼ぶことにします。
解凍したフォルダ/Fallout3内に、.srt拡張子のファイルがあるのでこれらを全てコピーします。
これらをFO3のインストールフォルダ/Data/Videoフォルダ内に貼り付けます。
BikModを導入する
次に、BikModというツールの準備をします。
まずFO3のインストールフォルダ直下にある「binkw32.dll」というファイルのバックアップを取っておきましょう。具体的には、このファイルをコピーした後、同じフォルダに貼り付けます。
すると「binkw32 – コピー.dll」という全く同じ内容で名前だけ違うファイルが出来るので、あとで間違ってもこれから復元できます。
バックアップ作成後、「binkw32.dll」のファイル名を「libbinkw32.dll」に変更します。(先頭にlibをつける)
次に、解凍したフォルダ/Bikmodv0.3eフォルダ内にある「binkw32.dll」をコピーし、FO3のインストールフォルダに貼り付けます。
最初にあったbinkw32.dllはバックアップを取ってlib~に名前を変更しているため、名前の重複はありません。
続いて、解凍したフォルダ直下にある「binkw32.cfg」をコピーし、FO3のインストールフォルダに貼り付けます。
直前にコピーしたbinkw32.dllとは拡張子だけが違います。
ここが非常に分かりづらいポイントで、繰り返すと、ここでコピーするのは解凍したフォルダの直下にあるbinkw32.cfgです。
解凍したフォルダ/Bikmodv0.3e内にも同じ名前のファイルがありますが、こちらをコピーすると上手くいきません。
ここまでの作業を終えると、FO3には次のファイルが存在することになります。
- binkw32.dll – コピー.dll(名前は任意)…最初からあるbinkw32.dllのバックアップ
- libbinkw32.dll…最初からあるbinkw32.dllの名前を変更したもの
- binkw32.dll…解凍したフォルダ/Bikmodv0.3e内にある同名ファイルをコピーしたもの
- binkw32.cfg…解凍したフォルダ直下にある同名ファイルをコピーしたもの
OP・EDの字幕を確認する
ここまで終わったら、FO3を起動してみましょう。
新規ゲームを始めて流れるOPムービーに字幕がついているはずです。前半は曲の名前のみ、後半はナレーション全体に字幕がつきます。
もし下のように黄色い文字が出ているなら、上で注意したとおりコピーするcfgファイルを間違っている可能性があります。
BikModのアップデート情報が出るとき
OP・ED字幕をつけると、FO3起動時にBikModのアップデート情報が出ることがあります。
これは不要なので、以下の作業で無効にしておくといいでしょう。
コピー後のbinkw32.cfgの[general]の項目に「version_check」という項目があるので、この値を0にします。
cfgファイルもメモ帳ソフトで編集できます。編集後は上書き保存しましょう。
これにより次回からはBikModのバージョンアップ情報が出なくなります。
【5】ターミナルを日本語化する
ここまでの作業をしても、ゲーム内のターミナル(pipboyではなくコンピュータのこと)の画面は日本語になっていません。
そこで、まずはデフォルトで以下のフォルダにあるFALLOUT.INIファイルを編集します。ユーザー名はWindowsに登録した名前です。
C:\Users\ユーザー名\Documents\My Games\Fallout3
(このフォルダ内のファイルは、ゲームをプレイするうちに増えていくことがあります)
FALLOUT.INIをメモ帳で開いて、キーボードでCtrl+Fを押して検索ウインドウを出します。
そこで「bInvalidateOlderFiles」という文字列を検索します。
元の値は0になっているはずなので、これを1に変更し、上書き保存します。
これでゲーム内のコンソールも日本語になるはずです。
おわりに
以上の作業を全て終えることで、次のような環境が整いました。
- Windows 10で正常にプレイできる
- ゲームの大部分を日本語化する
- OP・EDに字幕をつける
- コンソールを日本語化する
僕の環境では、ここに書いた作業で問題なく遊べています。
もちろんある程度クラッシュやフリーズはたまに起きますが、それは別途対処すべき問題であり、Win10での動作と日本語化には成功しました。
検証した環境はおおむね標準的だとは思いますが、やはり人によって何かしらケースバイケースの対応は必要になる可能性はあります。
あくまで一人のユーザーの検証結果として参考になれば幸いです。
最後に、Win10での起動や日本語化のために尽力してくださった多くの方々や、この記事を書くにあたって参考にした多くのWebページの製作者の皆さんに感謝いたします。