【Meta Quest 3S備忘録】近い距離でピントが合わない問題について

要約
・Meta Quest 3SでVRコンテンツを視聴中、かなり近い距離だとピントが合わない(ぼやける)
・生身の両目でも同じ現象が起こるので、どうしようもない(技術的限界)という結論に至る

 

2025年7月、自身初のVRゴーグルとして『Meta Quest 3S』を購入。以前、スマホを簡易VRゴーグルに出来るアイテムは使ったことがあるのですが、本格的なVRデバイスはこれが初めて。

基本的に動画視聴に使っているのですが、気になった点が1つ。記事タイトルの通り、見る対象が近いとピントが合わないことに気づきました。片目で見たり、プレイヤー上で3DモードをOFFにするとピントが合うのですが、両目だとダメという具合。

結局この問題は個人的には解決できなかったのですが、その結論に至るまでに考えたことなどを備忘録も兼ねて書こうと思います。

 

まず大前提として、Meta Quest 3Sは「視力が良い人用」に作られています。つまり、普段メガネがないと生活できない人は、Meta Quest 3Sを使うときもメガネをかけないとピントが全く合いません。僕は普段メガネがいるので、VRを見るときもメガネをしています。ゴーグル内のスペースが足りない場合、付属のアタッチメントで若干ですが奥行きを増やせます。

補足:サードパーティー製にはなりますが、メガネのレンズをVRゴーグルに外付けするアタッチメントも手に入るようです。「VRゴーグル 度付きレンズ」などで検索すると出てきます。

 

次に、Meta Quest 3Sは瞳孔間距離(Pupillary Distance、PD)を3段階で調節できるようになっています。

左右のレンズを同時に内側、あるいは外側へ動かすと3段階で移動可能。「VR映像のぼやけ」とかで検索すると、大体PDについて言及されている印象ですが、個人的には3段階どれを試してみても、近距離の問題は解決しませんでした。

これは個人的な仮説ですが、近距離以外は普通に焦点が合っているため、DPは今回の問題の根本的な要因ではないと判断。

 

国内外の様々な情報を当たってみたところ、近距離がぼやけるのは、そもそも2つの目で物を見るときに常に起きる現象なのでは、と思うようになりました。

実際、VRゴーグルではなく自分の目で物を見るとき、例えば、普通に生活できる視力の状態で、指を目から30cmくらい離した位置に持ってくると、ふつうにピントが合うはずです。(眼鏡の人は要メガネ)

一方、そのまま指を目から5cmくらいのところまで近づけると、徐々にピントが合わなくなってしまう。これが根本的な問題なのではないかと考えています。

つまり、普段僕たちが生活する上でも、そもそも超近距離のオブジェクトにピントは合っていないわけです。近距離オブジェクトを意識的に見ようとさえしないからこそ、「近距離でピントが合わない」と意識することもありません。

しかしVRゴーグルの場合、レンズと実際の目との間にいくらか距離があることと、近距離オブジェクトを能動的に見ようとしているがゆえに、普段感じない違和感が出ているのではないかと個人的には考えています。

なので仮にVRゴーグルのレンズを人間の目と同じ性質のものとして実装した場合、近距離でピントが合わないのは残念ながら仕方がない、となります。

 

ただ個人的に気になるのは、ピントが合わなくなる距離というのが、肉眼よりVRゴーグルの方が明らかに長いことです。つまり、本来はちゃんと見えるもののはずなのに、VRだとぼやけて見えない、と感じます。

一応暫定的に「技術的にしょうがない」という結論は出しているのですが、もうちょっとなんとかならないか?ともまだ考えています。

例えばMeta Quest 3Sではなく上位の「3」では何かしらの点で優れていて、近距離でももうちょっとハッキリと物が見えるのかもしれません。レンズの種類、瞳孔間距離の調整幅、あるいは他の何か。

ただこの原因究明は個人レベルではかなり難しいと思っていて、VRゴーグルだけでなく、再生するコンテンツ側の何か(撮影方法とか?)がボトルネックになっている可能性もなくはない。そこまでいくともうお手上げ状態。

今後使ってみて、もし問題を解決・改善する方法が見つかったら追記する予定です。