【Grim Dawn感想】自分史上最高のオフラインゲーム【99点】

個人的評価:99点 自分史上最高のオフラインゲーム

ハクスラARPG『Grim Dawn』(以下、グリドン)の感想です。がっつりやっていたのはv1.2.0.0以前ですが、今でも本質的なところは変わりません。

これまでCS、PC含めて色んなジャンルのゲームをたくさん遊んできましたが、個人的にオフラインゲームで一番面白かったのはGrim Dawnでした。これを超える作品に出会うべく今も色んなゲームをやり続けていますが、未だにこれ以上の作品を見つけられていません。もう完全に殿堂入り。

本作はハクスラ三大巨頭と呼ばれる「Path of Exile」「Diablo」「Grim Dawn」の一角です。個人的にPoEもけっこうハマったのですが、プレイ時間ではトリプルスコアをつけてグリドンの方がやってます。1600時間くらい。

では何がそんなに面白いのか。一言で言えば、ビルドを組むのが純粋に楽しいってことです。非常にざっくりとした言い方ですが、それに尽きます。ビルドを組むとかキャラクターを育てるというゲームは無数にありますが、ここまで素晴らしいゲームバランスとちょうどいい複雑さに仕上がっているのはグリドンだけだと思いました。

おすすめかどうかと聞かれれば100%おすすめ。やらないと人生損だと思ってます。

【リンク】Steam : Grim Dawn

Grim Dawn 良かったところ

ビルドを組んで育てていく楽しさ

冒頭にも書いたとおり、本作の面白さの「核」はビルドを組んでいく過程にあると思います。

9種類あるクラスから2つ選んでビルドを組むデュアルクラスシステムを採用しているのですが、これがハクスラARPGと奇跡的に噛み合っています。というのも、この手のゲームは突き詰めるとシナジー(相乗効果)を追求していく作品だからです。例えば、火炎属性をメインにするなら、それとシナジーがある要素を増やして、逆にシナジーがない要素は削っていくみたいな。

2つ選んだクラスのシナジーがある部分だけをかけ合わせるというのがまず楽しくて、それだけでもビルドの幅が生まれます。

ではクラスの組み合わせの数しかビルドがないのかというとそういうことはなくて、同じ組み合わせでもシナジーを生むポイントが変われば全く違うビルドになります。例えば、オカルティスト✕シャーマンはペットビルドにも出来るし、生命属性に特化することも出来るという具合です。

ちょうど良い複雑さ

ビルド構築に関連して重要なのが、ゲームそのものの複雑さです。Grim Dawnはかなり複雑だけど理不尽なほどでもない、取り組みがいのあるメカニクスが用意されていると思いました。

一般に、ゲームメカニクスが単純だととっつきやすくてカジュアルに遊びやすい一方で、ゲームの底が早く見えてしまって飽きやすくなります。反対に、複雑すぎるとある程度理解するのにも1,000時間とか平気でかかって途中で挫折したり、消化不良を起こしてしまいます。Path of Exileは複雑なゲームの最たるものだと思います(僕は好きですが)。

この点、Grim Dawnは個人的にちょうどよい複雑さに落ち着いていると思います。

先ほどクラスの組み合わせ以上にビルドの数があり得ると書きましたが、実際のところは他のゲーム要素の組み方でさらに幾通りもの方向性が存在します。そのゲーム要素について書き始めるとキリがないのでここには書きませんが、本当にたくさん考えることがあるのでゲームの底が見えません。

具体例を一つ。1000時間以上プレイしてから、とあるクラスの組み合わせとセット装備を使ったビルドを組み、「このビルドなら落とし所はここだろう」と思いました。しかし途中まで同じ方向性でも、上手い人が組んだビルドは細部が微妙に違っていて、そのためにDPSが自分のものよりずっと高かったみたいなことがありました。それくらい底が見えないゲームです。

アクションではなくステータス勝負のゲーム

このゲームはジャンルとしてはアクションRPGなのですが、アクション要素はほぼ求められていません。敵の大振りの一撃を避けるみたいな場面はありますが、特別なプレイヤースキルは基本必要ないと思います。ここが個人的にハマれた要因の1つかなと。

グリドンはステータスとステータスの勝負みたいなところがあります。攻撃してダメージを与えつつ、敵の攻撃で死なないようにする。そのために予めビルドをこねくり回してステータスを整えるゲームです。

個人的にPath of Exileで感じた不満点の1つが、一部の場面でゲーム本来の面白さとは親和性のないアクション要素を求められたことでした。まさかエンドコンテンツ最終盤でFallguysみたいなことをする羽目になるとは思っていませんでした。

その点グリドンの場合、近接ビルドなら如何に棒立ちできるか(棒立ちできる=殴り続けられる=DPSが上がる)、ペットなら如何にペットを死なせずに殴らせ続けられるか、ここに集中できます。人によって好き嫌いはあると思いますが、あくまでステータス勝負のゲームであることが個人的に楽しめました。

高いリプレイ性

僕の中でプレイ時間が一番長いゲームはグリドンなのですが、なぜそんなに長いこと楽しめたのか。それはリプレイ性が高いからです。

上記のとおり、このゲームにおいてはとんでもない数のビルドが存在し得ます。一つひとつのビルドにどれだけ時間をかけるかは場合によりますが、何種類もビルドを組むことによってプレイ時間がどんどん伸びていくわけです。しかも単純作業の繰り返しではなくて、いかに強いビルドを組むか考えながらプレイするわけですから、僕はずっと楽しいと思いながらプレイしていました。1つのビルドを育てている間に「次はあれをやろう…」と浮かんでくるのも楽しい瞬間です。

僕はゲームは長くやれればやれるほどいいと常々考えています。その点、Grim Dawnほど健全にプレイ時間が伸びたゲームは他にありません。

プレイ時間に関して蛇足をはさむと、GrimDawn Tools(*)というビルドシミュレータを触っていた時間も相当なものになります。装備や星座を取っ替え引っ替えしながら思考を巡らせるのもまた楽しく、少なくとも累計100時間はいじっていたはずです。これはあくまで外部ツールなので、Steamのプレイ時間にはもちろんカウントされません。

*PoEでいうところのPath of Buildingみたいなもの。

ある程度やり込むと、GrimDawn Toolsが本体でGrim Dawnはそこで考えたことを再現するツールに過ぎないみたいな逆転現象を錯覚することさえありました。

Grim Dawn 不満点

個人的に最高傑作と思っている本作ですが、2つだけ不満に思うことがあります。

バフを剥がしてくる敵がいる

このゲームには自分でかけるタイプの「常時バフ」スキル(トグルスキルとも)が存在します。常時バフはどんなビルドでも利用するものであり、1つも使わないケースは見たことがありません。バフありきでビルドのステータスを計算するので、これがなくなると耐性が足りなくなったり、攻撃や防御能力が大幅に下がったりします。

常時バフはそれくらい必須のゲーム要素なのですが、これを剥がしてくる敵が数種類存在します。

グリドンは他のハクスラ同様に画面のエフェクトが派手なので、混戦になるとどの敵からどの攻撃を食らったかなんてほぼ把握できません。そんな中でバフを剥がされると、ステータスが大きく下がったことに気づく間もなくやられたりします。

ここまで完成度の高いゲームなのに、幾多のアップデートを経てもこんなストレスフルな要素がずっと残っているのが不思議です。

ゲーム内スタッシュの使い勝手の悪さ

もう一点、装備やアイテムを保管するためのスタッシュがあまりにも小さすぎます。ゲーム内マネー(鉄片)によって倉庫を拡張することが出来るのですが、それでもなおどう考えても足りません。ここが理解不能。

グリドンの醍醐味の1つは、何体もキャラクターを作って色んなビルドを遊べるリプレイ性にあると思います。あるビルドを育てている最中に、他のビルドで役に立つ装備を拾うことで「次はこんなビルドを作ろう!」となるわけです。そうやって取っておきたいアイテムは数多くあり、スタッシュに収まるレベルではありません。

何百時間もプレイする中で仮に倉庫問題を解決しようと思えば、倉庫係みたいなキャラクターを何体も用意して、目視やメモを頼りにアイテムを出し入れするしかありません。しかしこれはあまりにも非効率で不毛な作業です。

 

しかし、Grim Dawn Item Assistant(GDIA)という外部ツールを使うことでこの問題は解決します。

【外部リンク】Grim Dawn日本語Wiki Grim Dawn Item Assistant

GDIAはただの検索可能な倉庫であって、チートみたいな機能はありません。これを使ったからといってお目当てのアイテムが手に入るとか、変換できるみたいなことは一切なし。純粋にプレイが快適になるだけです。

これはもう、あったらいいとかいうレベルではなくて必須です。GDIAなしでやれるのは長くて100時間くらいではないかと思います。良AffixのMI品、高レベルエピック、レジェンダリーが手に入り始めた時点で導入した方がいいです。

こういうツールがあったからいいものの、もしなかったら1,600時間なんて絶対やれませんでした。

Grim Dawn 感想まとめ

総評として、最初にも書いたとおりGrim Dawnは個人的に最高のオフラインゲームです。これを超えるゲームに出会えるならぜひそうしたいと常々思っているものの、そんなゲームがあるとしてもそれが一体どんな内容なのか想像もつきません。それくらいGrim Dawnは僕の好みとぴったり一致するゲームでした。

先に上げた2つの不満点はあるものの、1つは外部ツールで解決できることもあり、非常におすすめ出来るゲームです。

デメリットではないのですが、Grim DawnやPath of Exileをやってからというもの、少しでもビルド構築的な要素があるゲームをやると、どうしてもこの2作と比べてしまうところがあります。でもこの2作はその方向性で突出したゲームですから、これらと比べてしまえば他が見劣りするのは避けられません。ゲーム全般に求めるハードルが上がったというのは確かであり、そういう意味で僕の価値観を変えた作品であるとも言えます。

「ビルド構築」というワード、ゲームシステムに少しでも興味がある方であればぜひやってみてほしいと思います。ちなみに公式ではないですが日本語化する方法があり、それによって違和感なく遊べる状態になります。