SteamのDLが遅いときの原因と対処法についてのメモ

PCゲーム配信プラットフォームSteamでゲームのDLが異常に遅いときがあります。

今回はこの問題についての原因や対処法について個人的な経験をもとにまとめようと思います。

先に要点だけ書くと以下のとおりです。

  1. セール時は否応なくDLが遅くなる
  2. それでもSteamのサーバ変更・有線LANへの切り替えは効果的

検証時期:2020年11月

セール時はDLが遅くなる

「いつものDL速度は問題ないのに、今だけ明らかに遅い」という場合は、Steamのセールが原因であることがほとんどです。

Steamユーザーなら知っていると思いますが、イベントや季節によって定期的にセールが行われ、ゲームがふだんと比べて安くなります。こういうときは購入数が増え、Steamのサーバ通信量データ量も増えた結果、一人あたりでの速度が出なくなります。

(Twitterで「Steam 遅い」などと検索するとユーザーのリアルタイムな声が見つかります。これで自分だけ遅いのかみんな遅いのかある程度は掴めます)

これはもう仕方のないことなので、セールのときはDLが遅くなると考えるしかありません。

ただ、その中でもいくつか自分でできる対処法があります。

DLサーバを変更する

Steamの設定からDLサーバを変えることで、DL速度が多少マシになることがあります。

SteamではデータをDLするサーバの地域を世界中から選べるようになっています。必ずしも自宅から近いサーバがからのDLが一番早いとは限りません。ときには外国のサーバーを使う方が速度が出ることもあります。

やり方は、まずSteamのクライアントを起動し、左上の「Steam」→「設定」と進みます。

Steamの設定を開く

 

左で「ダウンロード」を選び、「ダウンロード地域」のリストからサーバを変更します。

Steamのサーバ変更

このサーバ位置はデフォルトでは自宅から最寄りの地域が選ばれていると思います。僕の場合は札幌に住んでいるので「Japan – Sapporo」でした。
(上の画像では韓国のソウルになっています)

実際の例

例えば、この記事を書くにあたってDLが遅くなったときは国内のサーバで1MB/sも出ていない状態でした。

最寄りの札幌で500KB/s前後。

札幌のDL速度

 

東京では250KB/s前後。これではいつまで経ってもDLが終わりません。

東京のDL速度

 

これを韓国の釜山(プサン)に変更したところ、5MB/sほど出るようになりました。

韓国釜山のDL速度

もちろんこれは上記の日本の2つの地域の場合と数分違いのタイミングで検証したものです。5MB/sも決して速いとは言えませんが、札幌の10倍、東京の20倍もの速度が出るようになりました。

このように、セールでDL速度が世界的に遅くなっていても、サーバの地域を変更する対策は有効です。

上記以外にシンガポール500KB/s、タイ1MB/s、インド・デリー1.5MB/sなども試しましたが、今回最も速度が出たのは韓国プサンでした。再現性は微妙ですが、まずは韓国のプサンかソウルのサーバを試すのをおすすめします。

無線LANを有線に変える

セール時でも講じられる対策として他に、無線LANを一時的に有線に切り替えてみるのも効果的です。

ふだんネットブラウジングをしたりYouTubeを観たりする分には、まともな無線LAN(Wifi)環境があればそれで充分です。

一方、SteamのDLように大量のデータ(数10GBも珍しくない)を扱う場合、無線と有線では大きな違いが出てくることもあります。

 

今回の検証時も無線から有線に切り替えた結果、スピードが改善されました。

僕の賃貸マンションではSoftbank光回線を契約し、ルータには「NEC WG1800HP4」、子機には「TP-Link Archer T2U Plus」という機種を使っています。デバイスはどちらも一般的なものです。

【関連】【TP-Link Archer T2U Plusレビュー】2.4&5GHz対応の無線LAN子機

 

Googleで「ネット速度」と検索すると、今使っているデバイスの通信速度をテストができます。

無線LANでこのテストをした結果が下記。このテストの結果はやる度にかなりばらつきがありました。

無線LANのネット速度テスト

注意点として、SteamのDL速度表記は「MB」だったのに対し、このテストは「Mb」です。1B(バイト)=8bit(ビット)なので、両者を比較するならテストの数値を8で割る必要があります。

 

ここでLANケーブルを使い、PCとルーターを有線で接続します。

LANケーブル

ルーター

 

その結果、こちらも結果にばらつきはあるのですが明らかに速度が向上しました。

有線LANのネット速度テスト1

有線LANのネット速度テスト2

無線→有線にすることで、テストだけでなくSteamのDL速度も改善しました。(スクショを撮り忘れましたが、最大で10MB程度は出たと思います)

よってセール時でもそうでなくても、DLが遅いなら有線LANを試す価値は十分にあると思います。

FPSなどリアルタイム性を重視するゲームをしないなら基本的には無線で問題ありませんが、こういうときのためにLANケーブルも1本持っておくと便利です。

ネット回線を変える必要はない

今回は「ふだんは問題ないが今だけDLが遅い」という問題を想定してきました。

この場合、軸となる要因はSteamのサーバに負荷がかかっていることなので、自宅のネット回線まで見直す必要はないと思います。
(この手のネット記事だと、広告ビジネスの都合上どうしてもネット回線を契約してねという内容になりがちなのですが…)

ネット回線の見直しが必要だとすれば、それはSteamのDL以前にネット全般の使いづらさを感じる場合でしょう。

ここまでの内容をまとめると、まずSteamでセールが行われているときは世界的にDLが遅くなるのは仕方ありません。

しかしそういった状況でも、以下の2つは有効なこともあります。

  1. Steamの設定でサーバを変更する
  2. 有線LANを試してみる

まずはSteamのサーバを今使っているのとは別なものに変えてみるのがいいでしょう。Steamの再起動も含めて30秒で終わります。個人的な経験からおすすめは韓国のプサンかソウル。

また、普段のネット使用に不満がなくても、こういうときだけは有線にしてみるのもおすすめです。