国内でかなりの流行を巻き起こしているバトロワFPS『APEX LEGENDS』。
今回はAPEXの遊び方の1つである『ソロランク』(ソロラン)がいかに苦行であるかについて書きたいと思います。
大前提として、APEXは非常によく出来た面白いゲームだと思います。個人的にここ数年で出会ったゲームのうち、特に感銘を受けたタイトルの1つです。
- アクションに爽快感のあるFPS
- バトロワ特有のストラテジー要素
- レジェンドに固有のアビリティが持つ無限の可能性
これらの要素がゲームに奥深さを生み出し、何度もプレイしたくなる魅力を持っています。
基本的に3人1チームで行動するゲームであるためパーティーを組むのが順当ですが、あえてソロ(野良)でランクマッチに挑むのがソロランです。例えばソロでダイヤ帯に到達するソロダイヤはAPEX界の登竜門的なチャレンジと言っていいと思います。
僕はシーズン12スプリット1に(システム変更でランクが簡単になったのに便乗して)初めてソロダイヤを達成できて、そのときはとても嬉しかったです。
ソロランを延々と繰り返し、ソロダイヤを達成したときの喜びは大きなものでした。それは確かです。
しかし、その道中は非常にストレスの多いもので、ソロランが楽しい娯楽だったとは決して言えません。
この記事で訴えたいのはまさにここで、APEXのソロランは本当に苦行です。
ではなぜ敢えてソロでやるのかというと、その方が(良くも悪くも)より自分の実力を反映した結果が得られるからです。
例えば、マスターの2人にサブ垢で手伝ってもらったら、僕がダイヤに行くのはもっと楽だったでしょう。でも、それは「キャリーされた」ことにしかならず、自分の実力は全然関係ありません。
そういう上がり方に意味はないと思うからこそ僕はソロでやっていたわけで、ソロにこだわっている方は多かれ少なかれこの目的意識を持っていると思います。
(まあ僕も強い味方が来たときに盛る、いわば「野良キャリーダイヤ」みたいな側面は大いにあるのですが)
話を戻して、個人的にソロランをやっていて苦痛だと感じた要素について書いてみたいと思います。
連携が取れないことの不毛さ
ソロランをやっていて一番苦痛なのは、VCありなら簡単に取れるはずの連携や相談さえ出来ないことです。
(VCなしの前提)
APEXは使いやすいピンが実装されているので、それを駆使すればある程度の連携や意思疎通は出来ます。
ただそれでも限界はあります。ピンでは無理だけどVCなら簡単にできる戦略や、行動の提案・相談をしたい場面がありすぎて常にもどかしさがあります。
「じゃあダメ元でVCつければいいじゃん」という話になるでしょうが、ランクで暴言を吐かれた苦い経験の後はVCを使うことはやめました。
僕に実力があればもっとスルスルと盛れていくのは確かですが、それでも「こんな簡単なやり取りさえ出来ない状況で頑張る意味はあるのか…?」と常々思ってしまいます。
ソロでやること自体縛りプレイ意外の何物でもありませんが、VCを使わないことも十分な縛りプレイです。
ほぼデュオと組むことになり、主体性が持てない&反省を活かしづらい
僕の経験上、上位のランクに行くほどデュオ(二人組)と組むことになる割合が増えていきます。
例えば、スプリット序盤ならプラチナ帯ですらほぼ毎回デュオと当たります。あるときは2試合連続で同じデュオが味方に来て思わず声が出ました。
デュオと組むとどうなるかというと、基本的にデュオについていくしかなく、あらゆる判断がデュオ任せになり、自分の主体性がなくなります。
もしも僕が光るプレデターバッジ3つ付けていたらデュオも僕の言うことに従ってくれるでしょうが、実際はそんなことはありません。2500ハンマーの野良の言うことを聞いてくれるデュオはAPEX界には存在しません。
APEXは3人チームで戦うゲームです。1人では基本的に何も出来ないので自分とデュオとで意思決定に相違があっても、多数派であるデュオの判断に従うしかありません。
例えば、
- 次の安置に向かってマップをどのように移動していくか
- 戦闘における押し引きのタイミング
こういうことは全てデュオ任せ。
少なくともある程度のランク以降においては、ソロランクは最早「デュオとやるランク」と化しているのが現状です。
このように主体性を持てないことの何が問題かというと、まず第一にシンプルに面白くないということです。
2人に付いて行って、2人のタイミングで戦って…そんなマッチが多いなあと思うに従ってソロランが苦行になってきました。
第二の問題はもっと深刻で、上手くいかなかったマッチの反省を次以降に活かしづらいということです。
なぜかというと、それは取りも直さずデュオと組むマッチでは自分が正しいと思うことではなくデュオの意見に従うしかないからです。
マッチ毎に何が上手くいかなかったか振り返ると、
- あのエリアは漁夫が来やすいから次からは慎重にやろう
- あのポジションは不利だったから、まずは移動を優先すべきだったのかも
など、色んな反省の余地が生まれます。それを踏まえて、次からはもっと良いプレイが出来るようになっていくはずです。本来は。
しかし自分の思いどおりにチームを動かせない以上、試行錯誤の結果が活きないのが現実です。
全滅して「またこのパターンか…」と思うたび、ソロランの不毛さを噛み締めます。
断っておくと、別にデュオが悪いと言っているのではありません。デュオと組ませる運営が悪いのでもありません。
なぜならデュオと野良が組むのはシステム的な必然だからです。ソロランをやる以上は「そういうものだ」と覚悟してやるしかありません。
理不尽な味方の先落ち
どう考えても自分に落ち度のない状況で味方が無謀な突っ込み方をして先にダウンしてしまうパターンもかなりのストレスになります。
自分のカバー不足とかそういうことではなくて、「流石にそれは無謀だろう…」という凸り方をする味方はしばしばいます。特にオクタン。
あまりに突出してダウンされると、仮にその味方が敵のアーマーや肉を削っていても、残り2人が追撃する前に回復されてしまいます。
すると完全不利な2v3が出来上がってしまい、そこからの巻き返しはほぼ不可能。
その後は、
- 詰められてそのまま全滅
- 自分だけでもどうにか逃げて順位上げ
の二択になります。
序盤で全滅してプラチナなら-36RP、ダイヤなら-48RPを食らうとマジでしんどいです。
失うポイントよりも、そこで負う精神的なダメージの大きさの方が問題であり、ソロランをやるモチベーションをガリガリと削っていきます。
ソロダイヤ達成の記事にも書いたとおり、ソロランはつまるところ精神力の勝負みたいなところがあります。
味方の理不尽な先落ち→大きなマイナスという流れが来てソロランをやめたくなったことは数え切れないほどあります。
反対に、どうにか逃げて順位上げに成功すればポイントのマイナスは減らせますが、それはそれで同じくらい精神を抉られる苦行です。
コソコソ逃げ回って隠れている時間はものすごくつまらないですし、最後には見つかって袋叩きにされてしまいます。
10分以上かくれんぼして順位をマイナスを減らす…そんなマッチが続いてもやっぱりソロランがいかに苦行であるかが身に染みてきます。
苦しんでソロランをやる必要はない
(すごいことでないとしても)一応形だけソロダイヤを達成した僕から言わせてもらうと、ソロランなんてやるもんじゃないです。なぜなら本質的に苦行だから。
僕が話したことがある人が「APEXはフレンドとしかやらない、1人でやっても面白いと思えないから」と言っていました。いやもう本当に、これでいいと思います。
ゲームというのは本来娯楽や暇つぶしのためにやるものであって、ストレスを溜めながらやるものじゃないはずです。
正直、ソロダイヤのためにストレスで狂いそうになりながらソロランを回していたときの自分は何かに取り憑かれていました。
思い返すとあれは承認欲求を満たすためだった節が大いにあります。SNSとか(それこそブログとか)で「ソロダイヤ達成しました」と言いたかったのが大きなモチベーションでした。
あのスプリットを通じて、確かに達成感を得て、多少は承認欲求も満たせました。でも結局ゲームはゲームであって、その中から現実世界に一歩でも出てしまえばプラチナだろうがダイヤだろうか関係ないわけです。
ランクアップとストレスを天秤にかけた時、果たしてそれだけの価値があるのか…。配信して収益を得られれば現実的な価値は見い出せますけど、ほとんどの人はそれには当てはまらないですよね。
ゲームは自己満足なので各々が好きなようにやればいいとしても、少なくとも言えるのは、ソロランは自律神経をボロボロにしてまでやるものではないです。
自分は多少はやったけど、人には勧めません。先に書いたように、フレンドと楽しくやるのが一番健全なプレイスタイルだと思います。