2012年頃から趣味でやっていたエレキギターを、一度完全に辞めました。
ギターや機材の処分が終わってこの記事を書いているのが2021年4月なので、ほぼ9年くらいやっていたことになります。(途中ブランクはけっこうありましたが)
かなりお金をかけた趣味であったため、辞めるにもそれだけ覚悟が必要でした。また、機材の処分にかかる労力もすさまじいものでした。
ギターを辞める前後で物理的にも精神的にもかなりの変化が自分にはあったので、この辺りのことを書こうと思います。
シンプルに飽きてしまった
エレキギターを辞めた一番の理由は、ギターを演奏するという行為に関心がなくなってしまったからでした。簡単に言えば飽きたということです。
ギターを始めたての頃は「あの曲が弾けるようになりたい」「何でも弾いているだけで楽しい」といった向上心や喜びがありました。
また僕は機材コレクター的な側面もあったので、「あの機材がほしい」「機材をいじくり回すのが楽しい」という楽しみもありました。
9年間でギターや機材にかけた額は100万円をゆうに超えます。ギターやベース本体だけでも60万円以上、その他アンプやエフェクターなども数10万円はかけています。
楽器通販サイトを毎日眺めていたのが今では懐かしいです。
今となっては過去の話ですが、当時はそれだけの熱量がありました。
しかし、時とともに当初抱いていた情熱の炎は弱くなっていき、最終的には消えてしまいました。特に弾きたいものもなく、今以上に上手くなりたいという意識もない。
なぜ飽きてしまったかについて合理的な理由はないのかもしれません。大体のことに当てはまりますが、結局は「なんとなく」なんだと思います。
生き方と合わなくなった
ギターへの関心が薄れたのも事実ですが、その一方で、ギターという趣味が僕の生き方と合わなくなったのも、完全に辞めるに至った一因です。
今から一年ほど前、実家を出て一人暮らしを始めることになりました。
引っ越した先が小さいアパートで、この環境がギターを弾きにくくしたのは確かです。
アパートは鉄筋コンクリート造りなので、アンプにつながない演奏くらいだったら音は漏れません。
ただギターはやっぱりアンプで音を出してなんぼなところがあり、楽しみが確実に制限されてしまいました。
(実家は一軒家なので、家族はうるさく感じてしたでしょうがアンプが使えました)
あとそもそもこの部屋は「楽器の演奏不可」という条件の物件です。(それは知った上で引っ越しました)
なので、音漏れしないとはいっても、ギターを弾くことがルール違反である以上、それを意識せずにいられません。バレないとしてもルール違反をしているという感覚は気持ちのいいものではありませんでした。
【関連】賃貸住宅でエレキギターが弾けるのかという問題について
また、部屋が狭いのでギターや機材を置くスペースに困るという問題もありました。
ギターとベース計7本を8畳の部屋に置くのはなかなか無理があります。今から思うと、この鶏小屋によくあんなにたくさんの楽器を置いていたなと驚きます。
ギターうんぬん以前に、小さいアパートに住み始めたことで、なるべく持ち物を減らしてシンプルに生きたいという人生観が芽生え始めました。
いわゆるミニマリストほど極端でなくてもいいので、さすがにもうちょっと簡単に身動きをとれるようになりたいなと。
ギターと機材は引っ越しのとき本当に大荷物になっていました。もうあり得ないことですが、仮にまた引っ越すときに同じだけの荷物を運ぶとなると気が遠くなりそうです。
実家にいた頃僕はロードバイク(自転車)をやっていたことがあるのですが、ギターもこれと似たところがあります。
まず自転車もギターも、それ自体が大きい荷物です。さらに、本体だけでなくそれを保管したりメンテナンスしたりするための道具が沢山必要になります。
こういう「大きなモノがたくさん必要になる趣味」はもう自分には合わないと痛感しました。
機材の処分がとてつもなく大変だった
完全にギターを辞めるには、その覚悟と機材の処分に数ヶ月かかりました。
覚悟は精神的なものなので大したことはありませんが、問題なのは機材の処分にかかる労力です。
思い出すだけで寒気がするほど時間も手間がかかりました。
まずギターとベース計7本については、フリマと楽器屋の買取で手放しました。
高く売れる見込みのあったギター2本はフリマで売りました。
梱包や発送、購入者とのやりとりは面倒ですが、この方法が一番高く売れます。
【関連】フリマでのエレキギター売却と発送の手順【メルカリ・ラクマ】
50万円分のギターを売って25万円ちょっとにはなったので、回収率は悪くないと思います。需要があるモデルだったのはラッキーでした。
他の単価の低いギターについては、楽器店に直接持ち込んで売りました。
楽器店の買取では二束三文にしかなりませんが、その分手軽に手放すことができます。
フリマで頑張れば売却額はちょっと上がるかもしれませんが、ここは手間を省くことを優先しました。振り返ってもこれでよかったと思います。
【関連】ギター・ベースは二束三文でしか売れない【楽器屋での買取の体験談】
アンプやエフェクター、その他小道具についてはほぼ全てフリマで売りました。
一つひとつ出品して、商品説明を書いて、売れたらやり取りして発送して…という手間がとてつもなく大変でした。もう二度とやりたくありません。
単体で売れないものはセットにして何とか売れやすくしたり、といった工夫もけっこうしました。
フリマが面倒すぎてできない人は、ここまで丁寧には売れないと思います。
唯一、大きなギタースタンドだけはリアルの知り合いに引き取ってもらいました。
これは大きい割に価値が低く、無理やりフリマで売っても送料ばかりかかって利益がほとんど出ません。
それなら知り合いにタダであげて有効活用してもらった方がいいかなと。
そんなこんなで繰り返しにはなりますが、ギターとベース計7本、そしてその他の全ての機材、道具を手放すのには尋常ではない時間と労力がかかりました。
あまりにも大変すぎました。もう二度とやりたくない。
練習という重圧からの解放
ここまでがエレキギターを辞めるまでの話。
ここからはギターを辞めてどうなったかについて書こうと思います。
一番の変化は、ギターを練習しなければならないというプレッシャーから解放されたことでした。下の記事にも似たようなことを書いています↓
前述の通り、ギターを辞める直前の頃は向上心というものがほとんどなくなっていました。
そりゃ弾けるに越したことはないけど、もうそこまでのモチベはない…でも持っている以上は練習はしないといけない気がする。
義務、というと聞こえは悪いですが、そういう演奏しないとというプレッシャーが常にあって落ち着きませんでした。話は前後しますが、これもギターを完全に辞めるに至った小さな理由の一つです。
今はもうギターと機材を全て処分したわけですが、未練は全くありません。
キレイになった部屋で、これまでになかった特殊な落ち着きを感じています。
小さな部屋を圧迫していた荷物がなくなったという「開放感」。そして、もう気乗りのしない演奏をしなくてもいいんだという「解放感」。
一般的にギターが奥が深くて楽しい趣味なのは間違いありません。ですが僕にとってはもう卒業すべき時が来たのであり、今はこれでよかったんだと確信できました。
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