【CHORD Mojo レビュー】ユニークな見た目の高音質USB-DAC

今回は、CHORDのUSB-DAC内蔵ポータブルアンプ「Mojo(モジョ)」のレビューです。

遊び頃の満載のルックスが目を引きますが、音質も一級品です。

ポータブルアンプなので、外でも気軽に高音質を楽しめます。

ポタアンの中では高価な部類ですが、それはMojoがあくまでクオリティで勝負しているからに他なりません。

スマホやPCで高音質なリスニングをしてみたい方は、ぜひご覧ください。

CHORD(コード)について

まずは、CHORDというブランドについて簡単にご説明します。

CHORD Electronicsは、イギリスに本社を置くハイエンド・オーディオメーカーです。

CHORDというブランドは一般人にはほとんど馴染みがないのではないでしょうか。

僕も、Mojoを知るまでCHORDの名前さえも知りませんでした。

 

CHORDの製品には、100万円を超えるハイエンドな機器がゴロゴロあります。

今回ご紹介するMojoの価格はおよそ5万円強ですが、それでもCHORDのランナップの中では異常なまでに低価格なのです。

音質の変化について

オーディオ機器に求められるのは、何よりもまず音質だと思います。

なので、まずはMojoの音質について。

僕がMojoを使って音質面で感じたことは、大きく分けて次の3つです。

  1. 音がリッチになった
  2. 埋もれていた音が聴こえるようになった
  3. 聴き疲れしにくくなった

これらの感想について、詳しく書いていきます。

音がリッチになる

Mojoを使ったときの一番の変化は、音が全体的にリッチになったということでした。

もともとのスカスカ感がなくなって、音の密度が大きくなった感じです。

例えていいますと、パサパサだった髪の毛が丁寧なトリートメントでしっとりと輝きを取り戻すような感覚に近いものがあります。

埋もれていた音が聴こえる

これまで陰に隠れていた小さな音も聴こえるようになりました。

これはオーディオ環境の改善でよく見られる現象ですね。

第1の感想として音がリッチになったと感じたのは、より多くの音を認識できるようになった影響もあると思います。

聴き疲れしにくい

音の耳当たりが柔らかで、聴き疲れしにくくもなりました。

これもオーディオの世界ではよくある事と思います。

聴き疲れのしにくさは、特に音量を上げていくときに感じます

一般に、音量を上げていくと情報量が増える代わりに聴き疲れもしやすくなってしまうものです。

Mojoを通した場合、音量をグイグイ上げていっても不思議と耳への負担が増えません。

そのため、先述した音のリッチさや情報量の多さというメリットを存分に享受できるのです。

しかしあくまで下流の方が重要

ここまでMojoで音質がよくなるよ、と書いてきました。

それはそうなのですが、ここで一つ注意点があります。

それはオーディオの一般論として、下流の方が音質に与える影響が大きいということです。

つまり、Mojoを導入してもイヤホンやヘッドホンが低レベルだとそこがボトルネックになり、結局良い音にはなりません。

ここでいう「下流」とは、オーディオシステムの中で耳に近い方を指します。

Mojoを使うシステムとして、「スマホ⇒Mojo⇒イヤホン」というのがあり得ます。

この場合、スマホが上流でイヤホンが下流です。

ですので、音質向上を目的とするならまずはイヤホンやヘッドホンに投資する方が先です。

僕の環境でいいますと、ZERO AUDIO ZB-03(約4000円のイヤホン)では、Mojoの効果は正直あまり感じられませんでした。

値段が全てではないとしても、Mojo(55,000円)とZB-03(4,000円)では不釣合いなのは否めません。

一方、Westone W40(約5万円のイヤホン)とSENNHEISER HD598(約25,000円のヘッドホン)ではMojoの効果を実感できました。

この場合は、下流がボトルネックになっていないと言えます。

ハード面の仕様

続いて、Mojoの物理的な仕様についてご紹介します。

物理ボタン

Mojoのボタンは、次の計3つです。

  1. 電源ボタン×1
  2. 音量ボタン×2

 

ボタン

電源ボタンを長押しすることで、電源をON・OFFできます。

これらのボタンが変わった作りで、使い方によって色が変わるという遊び心と実用性があります。

(詳しくは後述)

入力端子

Mojoの入力端子は、次の4つです。

  1. コアキシャル×1
  2. Micro USB(音声入力用)×1
  3. Micro USB(充電用)×1
  4. オプティカル×1

 

入力端子

入力が豊富なのもMojoの特徴と言えるでしょう。

一般的にはMicro USBを使うケースが多いかと思います。

そのせいもあってか、付属品としてUSBケーブルが1本入っています。

出力端子

出力は、ステレオミニジャックが何故か2つついています。

カップルで使えということでしょうか。

出力端子

機能

次に、Mojoの機能面についてご説明します。

ボタンの明るさ変更

電源がONの状態で音量ボタン2つを同時に押すと、ボタンの明るさを2段階で変更できます。

明るいモードだとまぶしく感じたり、電力のムダだと思えたりしたので、僕は暗いモードに設定しています。

 

暗いモード↓

暗いモード

明るいモード↓

明るいモード

サンプリング周波数による色の変化

Mojoに入力された信号のサンプリング周波数によって、電源ボタンの色が変わります。

周波数と色の関係は、箱に書いてあります。

サンプリング周波数と色の関係

ソース(スマホなど)側でサンプリング周波数を調整したときに、それが反映されているか確認できるので便利です。

ラインアウトモード

音量ボタンを2つとも押しながら電源を入れると、ラインアウトモードとして起動します。

起動時に音量が薄紫色になれば、それがラインアウトモードになっているサインです。

ラインアウトモードでは、MojoのDAC部分のみが使われるので、外部のアンプを使いたいときにこのモードを利用できます。

(※接続している機器が壊れないよう、ラインアウトモードの扱いには注意してください。)

おわりに

以上、CHORDのUSB-DAC内蔵ポータブルアンプMojoのレビューでした。

MojoはCHORDの中では低価格ですが、それでも価格は5万円以上です。

庶民の感覚からすれば決して安くはないので、「とりあえず音楽が聴ければいいや」という方には無用の製品と思います。

一方で、DAC(ポタアン)でオーディオ環境をグレードアップしたい願望がハッキリしている方にはオススメの製品です。

ただし、先述したようにイヤホンやヘッドホンへの投資の方が、費用対効果は高いです。

オーディオシステム内の投資バランスを考えて機材を揃えてみてください。