PC周辺機器で知られるロジクールのPC用スピーカー『Z120BW』のレビューです。
Amazonにて新品1,290円(税込)で購入。値段に変動はありますが、高くとも1,500円以下で買えます。
総評としては、格安であるにも関わらず、音質にそこまでこだわらないなら十分実用的なスピーカーでした。
この価格帯のスピーカーを買うのは初めてでしたが、Z120BWは間違いない選択肢の一つだと思います。
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購入までの経緯
まずは、ロジクール Z120BWを購入するまでの経緯について書きます。
(個人的なことなので興味のない方は読み飛ばしてください。)
僕はエレキギターを弾いていた都合上、PC用のスピーカーとして『YAMAHA MSP5 STUDIO』を使っていました。
(以下、MSP5)
MSP5はいわゆるモニタースピーカーであり、主に楽曲制作の場で使われます。原音をありのまま表現するのが特徴。
これはアマチュアが使う分にはそれなりに良いもので、一基で25,000円以上します。どんな目的で使うにせよ、繊細な表現力に優れるのは素人の耳にも明らかでした。
ただ、近年はギターという趣味から遠ざかるにつれて、このスピーカーを使う意味も薄れていきました。
こうなると宝の持ち腐れでしかないため、フリマで売却。
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普段使っているPCモニターにはスピーカーはないので、その後はイヤホンやヘッドホンをしばらく使っていました。
しかし音を聞いている間自由にやっぱり動き回れないことに不便を感じるようになり、またスピーカーが欲しくなりました。
とはいっても以前のように高品質なものではなく、実用に足る最低限のもので十分です。
Amazonで探したところ、当記事でレビューする『ロジクール Z120BW』がかなり売れているのが分かりました。
もはやロジクールはPC周辺機器メーカーとして有名ですし、個人的にもこれまで購入したマウスやWebカメラの品質には満足しています。
驚くべきはその値段で、いくら安いといっても当時1,290円(税込)は破格。それでもレビューは概ね好評であり、音質にそこまでこだわらない今の自分には十分だと判断しました。
以上が、新しいPC用スピーカーとしてZ120BWを購入した経緯です。
開封、梱包、内容物
Z120BWの箱がこちら。ロジクールらしいスタイリッシュなデザインが目を引きます。
左右のスピーカーが取り外せないケーブルでつながっている都合上、2つを同時に取り出すようにしましょう。ほぼないとは思いますが、独立していると思って扱うと、ケーブルがちぎれるかもしれません。
書類は三枚入っていました。
取扱説明書はなく、使い方や仕様は箱の側面に記載されています。
Z120BWの物理的仕様
Z120BWには以下の3本のケーブルがあります。
- 左右のスピーカーを接続
- 音声入力(右)
- 電源供給(右)
前述のとおり、これらのケーブルは固定されていて取り外しできません。
左右のスピーカーをつないでいるケーブルがこちら。
実測で75cm強の長さがありました。一般的なデスクで使うのであれば、左右の幅は十分だと思います。
音声入力と電源供給のためのケーブルは、右(R)のスピーカーの背面から伸びています。
Rのスピーカーから端子までの長さは実測でともに120cmでした。
音声入力の端子は一般的な3.5mmステレオミニプラグ。イヤホンと同じです。
電源供給の方はUSB TYPE-Aです。この端子を持たないPCはまずないと思います。
ノートPCなら問題ないと思いますが、デスクトップで使う場合はケーブルの長さが足りないことがあるかもしれません。
例えば、PCをデスクの左側に置いている場合、右のスピーカーから伸びる音声・電源のケーブルが届かないこともあり得ます。その場合は延長ケーブルが必要。
これからZ120BWを買おうと思っている方は、ざっくりとでも長さのシミュレーションをしてみるのをおすすめします。
左右のスピーカーはどちらとも、余ったケーブルを格納できるスペースがあります。
格安スピーカーにも関わらず、こういった細かい点まで行き届いているのは優秀。
どちらが右でどちらが左かは、スピーカーの底を見れば分かります。小さな文字R・Lと書かれています。
このZ120BWはそれ自体に電源を持つアクティブスピーカーであるため、本体のノブで音量調整ができます。
となりのLED(黄緑)で電源が供給されているかどうか分かります。ONになっていても眩しくて目障りということはありません。
片方(L)の重さは実測で263g。2つ合わせて500mlペットボトルよりちょっと重いくらいです。
持ってみると大きさの割に少しずっしりした印象であり、中がスカスカではないのが分かります。
Z120BWの音声入力と電源
続いて、音声入力と電源についてもう少し詳しく見ていきます。
まず大前提として、このスピーカーは音声と電源のケーブルを2本とも同時に使う必要があります。つまり、音声の入力をイヤホンジャックから取るか、USBから取るか選べるわけではありません。
音声入力のケーブルはPCのイヤホンジャックに挿します。このジャックは現状どんなPCにもついていると思います。
これ以外に、個人的に使っている方法も紹介。
僕はギターをやっていた関係で、オーディオインターフェースを持っています。これはマイクやギターといった楽器の音をPCに送るための機材であり、ここから音をモニターすることもできます。
僕はPC本体のイヤホンジャックではなく、オーディオインターフェースの音声出力にZ120BWの音声入力をつないでいます。
画像のオーディオインターフェースはSteinberg UR22C。
一般に、PCのイヤホンジャックよりもオーディオインターフェースからの音の方が高音質です。せっかくオーディオインターフェースを持っているので、このメリットを活用することにしました。
この使い方でも多分間違ってはいないはずです。
続いて、電源供給について。
Z120BWの駆動に必要な電源は、電源用のケーブルをPCのUSB端子に挿せば供給されます。
別な方法として、よくあるUSBアダプターを使っても電源を供給できます。
実際に動作することを確認しましたが、電気的に問題がないのか確信はありません。
ただ前述のケーブルの長さ不足(もしそういう状況なら)を解消できるケースがあるのと、特にノートPCの場合、USB端子不足をカバーできる方法ではあります。
Z120BWの音質について
肝心の音質については、1,500円以下のPCスピーカーとしては超優秀だと思います。コスパは非常に高いです。
もちろん、あくまで格安スピーカーであるため、オーディオマニアを唸らせるような音質ではありません。僕が以前使っていたYAMAHA MSP5 STUDIOと比べると様々な音が潰れているのが分かります。
かといってこのスピーカーは決して”おもちゃ”ではありません。音質にそこまでこだわらない場合、十分に実用的なレベルだと思います。
個人的な用途としては、YouTubeやVODでの映画鑑賞では特に不満なく使えています。
ちなみに僕は賃貸住宅に住んでおり、そこまで大きな音量では音を出せません。(鉄筋コンクリートなのでそうそう音漏れしないと思いますが、マナーとして音量に気を使ってはいます)
もしかすると、大きな音量では他のスピーカーとの音質の違いがもっと分かるのかもしれません。ただ、小さな部屋でこじんまりと使う分には個人的にはこれで十分です。
前述のオーディオインターフェースを使う件について書くと、オーディオインターフェースを通したからといってそこまで音質は変わりませんでした。結局はスピーカーの性能がボトルネックになっているのかと思います。
デメリット
レビューですからメリットだけでなくデメリットについても言及しておくことにします。
とはいっても、1,500円以下の簡易スピーカーとしては非の打ち所がないというのが正直なところです。
強いて挙げるなら、繰り返しにはなりますがオーディオマニアを満足させるような音質ではありません。
ただこのスピーカーを買う方はそこまで期待してはいないはずです。あくまで格安スピーカーと割り切るなら、音質に落胆することはないと思います。もし明らかに音質が悪すぎる場合、それは何かしら使い方を間違っているか、初期不良が疑われます。
個人的な希望としては、Z120BWとPCの接続がUSBケーブル1本で済めばもっと省スペースでよかったと思います。(技術的に無理ではないのでは)
また、Z120BW自体にイヤホンジャックがあって、簡易インターフェースとしても使えればさらに便利です。
しかしこれらの機能まで実装すると1,500円では収まらないでしょう。
Z120BW レビューの総評
総評としては、『ロジクール Z120BW』は格安スピーカーとして選んで間違いない製品の一つではないかと思います。
個人的には最低限使えるPCスピーカーを求めていたので、思っていたものとピッタリ合いました。買ってよかったです。