【i7-4770→i5-12400】2023年自作PC組み立ての記録

約10年ぶりに自作PCを1から組んだので、そこで考えたことや気づいたことを記録としてまとめることにしました。2023年12月時点の話です。

1台目を作るときは考えていなかったメリット・デメリットも踏襲しつつ組めたため、結果としては十分満足のいくPCが作れました。グラボは2022年に交換(GTX760→RX6600XT)していたため、主にCPUのアップグレードが目的でした。それに合わせて他も丸ごと新しい規格のパーツを揃えた形です。

今回PCを組み直そうと思った理由は大きく2つありました。

(1)ゲームによってはfpsが30~40台まで落ち込んでカクつきを感じることが増えてきたのが一点。シンプルに性能不足。現役で動き続けているとはいえ、やはりi7-4770ではもう限界が来ているなと思いました。

(2)2つ目の理由はゲームをインストールする容量が本格的に足りなくなってきたこと。これまではOSとは別に256GBのSATA SSDを用意し、その中でどうにかこうにかやりくりしていました。大容量のタイトルをプレイすることは稀だったため、それでもなんとかなっていました。

しかし、最近Baldur’s Gate 3をやり始めて137GB持っていかれるようになってからというもの、流石にもう256GBでは無理だと判断。SSDを増設すれば済む話ではあるのですが、M.2が主流になりつつある中、今さらSATA SSDを買うのはなんか嫌だなあと思い、その点でも組み直したくなりました。

そういうわけで、CPUのアップグレードと大容量M.2 SSDの導入を主な目的としてミドルクラスのPCを作ることにしました。アマチュアなりに考えたことや気づいたことを下記にまとめます。

PCパーツ

今回購入したパーツ(ハードウェア)は下記。以前利用して梱包が丁寧だったことから、ドスパラでいっぺんに注文しました。OSはライセンスを持っていたのでそれを使用。

  • CPU Intel Core i5-12400f
  • CPUファン DEEPCOOL AK400
  • マザーボード GIGABYTE B760M DS3H DDR4(ドスパラ限定)
  • RAM DDR4 32GB
  • ストレージ ADATA製 M.2 SSD 2TB
  • PCケース Thermaltake Versa H18
  • PCファン Scythe kazeflex SU1225FD12M-RHP
  • 電源ユニット 玄人志向 750W Bronze認証

全部で72,000円くらい。ここに当時5.5万円のグラボを合わせると12.7万円。仮にOSを15,000円で購入しても14.2万円。ゲーミングPCと考えるとだいぶ安いですね。ちなみに今なら同じ値段でもっと性能の高いグラボが買えます。

依然として重量級タイトルをやる予定はなく、あくまでミドルクラスでコスパ良く組めたらいいと思っていたのでこういう感じになりました。以下詳細。

CPU Intel Core i5-12400f

Intel Core i5-12400

21,880円

2023年時点でいうと、12世代は型落ちで13世代がスタンダードになっていました。既製品のCPUは大体13世代。

ただ、YouTubeなどで比較検証動画を見た限りでは、両者の値段の差に対してパフォーマンスの差はそこまでないように見えました。i5-13400fも悪くない選択と思いましたが、それよりも12400fのコスパがあまりにも良すぎるように思えたのでこちらを選択。

i7-4770からi5-12400fに変更してどのように変わるか、組む前からとても楽しみでした。

マザーボード GIGABYTE B760M DS3H DDR4(ドスパラ限定)

GIGABYTE B760M DS3H DDR4

12.980円

GYGABYTE製のドスパラ限定品です。マザーボードに求めることは、他のパーツの規格に合っていて普通に使えること、それだけでした。強いて言えばRAMソケット×4、M.2 SSDソケット×2はほしいと思っていましたが、逆にそれを満たさないのは一部の激安マザーだけです。

1万円代前半でこれは良さそうと思って本製品に決定。

10年間使い続けたASUS H87 PROというマザーボードも、これといって特徴のある製品ではありませんでしたが、何の不満も問題もなく使えていました。今回も同クラスの製品でいいだろうと判断。

i5-12400fのソケット規格はLGA1700ですから、マザーもそれに合わせます。

CPUクーラー DEEPCOOL AK400

2,961円

リテールクーラーを使うのは論外。CPUクーラーには定番の空冷製品を使うことにしました。特筆すべきことはないかな。

RAM DDR4 32GB(16×2)

RAM DDR4

7,960円

これもドスパラ限定品です。正直16GBでも十分だとは思っていたのですが、32GBでも値段が3,000円くらいしか違わなかったと記憶しています。それなら32GBにしておいても悪くはないかなと。

ちなみにこの10年でRAMの規格も新しくなっていて、今はDDR4が主流でDDR5も出つつあります。前から使っていたRAMはDDR3ですが、これは新しい規格との互換性がありません。つまり、RAMを流用することはやりたくてもできませんでした。

SSD ADATA LEGEND 800 M.2 2TB

11,280円

今回の目玉の一つ。M.2 SSDの容量は思い切って2TBにしてみました。もともと「ゲームをインストールする余裕がない」という問題から組み直しを考えたので、ここはちょっと欲張ることに。

これなら超大型タイトルを何本も同時にインストール可能。1TBでもおそらく十分で、2TB分のゲームをインストールすることはないと思います。

実はこれもRAMと同じで、1TBと2TBの差が数千円しかありませんでした。それなら2TBの方を選んじゃえと思ってこちらを選択。格安メーカー製ですが、11,280円という値段なら試してみるのもありだなと思いました。

ケース Thermaltake Versa H18

PCケース Thermaltake Versa H18

4,400円

格安mATXケースの代名詞ことVersa H18。円安の影響で一時期より値上がりしましたが、それでもmATXでは依然として有力候補ではあると思います。

ケースについてもこだわりがあって、今回は絶対にATXではなくmATXにしようと決めていました

というのも、これまでATXサイズのケースを使っていたのですが、これがとにかく大きくて重いので取り回しの悪さが気になっていました。部屋を圧迫するだけでなく、12kg以上の重さがあるので移動させるのも大変です。

mATXサイズならその問題は確実に緩和されますし、サイズが小さくなっても実用上のデメリットはほぼないと判断しました。

【関連】Thermaltake Versa H18を使って気づいたことについて

 

Versa H18は排気ファンが1つあるのみだったので、吸気用のファンを追加で用意することに。ScytheのKazeflex 120mmを購入しました。

Scythe Kazeflex SU1225FD12M-RHP

電源ユニット 玄人志向 750W Bronze認証

9,180円

650Wと750Wの価格差がたしか1,500円くらいだったので、750Wの方を選択。たぶん650Wでも十分でしょうが、750Wで余裕を持った使い方をするのも大いにアリかなと思いました。

ちなみにここ10年間はCorsair製の650W GOLD認証製品を使っていました。Bronze認証で何か明確な違いが出るかは不明ですが、今後何か思うことがあるとしても、それはそれでいい経験になると思います。

組み立てで思ったこと・気づいたこと

まずはCPUの取り付け。PCの組み立ててで一番緊張するのは個人的にはここです。ただ、側面のくぼみをしっかり確認すれば間違いません。

 

CPUクーラーAK400は、CPUとの接地面にあらかじめグリスが塗られていました。なのであとはそのまま固定するだけ。

CPUクーラー設置

個人的にはグリスをちょうどよく塗ることに苦手意識があって、組む前は面倒に思っていたポイントの1つでした。初めから適量が塗られていると楽でいいですね。グリスは乾いているようには見えませんでした。

 

順番は前後しますが、M.2 SSDの取り付けがとても簡単で感動しました。

SSD取り付け

M.2 SSDはソケットに差し込んで固定するだけ。SATA SSDは電源とデータ転送用のケーブルを2本も挿さないといけませんでした。その手間と比べると天と地ほどの差があります。

マザーボードは低価格の製品ながら、ヒートシンクがついていました。これを上から被せて固定することで冷却効果が期待できます。

 

追加ケースファンをフロント部分に設置。ここから吸気して、背面のファンで排気する形です。

Thermaltake Versa H18 フロントファン

 

パーツやケーブルは規格さえ合っていればあとは嵌めたり挿したりしていくだけなので、正直プラモデルと同じです。ただ、PCケースの扱いに関してはいくつか手間や工夫が必要だったので、別途記事に書きました。

【関連】Thermaltake Versa H18を使って気づいたことについて

フロントパネルの外し方、3.5インチHDDの取り付け手順と位置、スタンドオフの準備などについて、実際に使って気づいたことをまとめています。

組み立てについては上記の通りで、特に大きなミスや不具合もなく終わりました。起動も一発で成功。今回の組み立てで新しいノウハウやコツを得ることもあり、個人的にはかなりいい経験になったと思っています。

ゲームをプレイした感想

肝心のゲームプレイについて。結論から書くと、グラボ以外を10年ぶりに一新しただけあって、パフォーマンスは劇的に良くなりました

PCへの要求要件が低いライトなゲーム、例えば『Factorio』や『Slay the Spire』などはプレイ感に全く変化はありませんでした。もともと快適に遊べていたので変化がなくて当然です。

一方で、fpsの落ち込み、カクつきが気になっていたゲームについては明確な違いがありました。同じ画質設定でも2倍以上のfpsが出るようなことも珍しくありません。

具体的には、最新タイトルである『Baldur’s Gate 3』、アプデの度に重くなっている『Path of Exile』、マイナーな作品ですが『Last Epoch』あたりをプレイしたときに思いました。この手の3D作品をプレイしたときのゲーム体験は全く別物です。もう前の環境には戻れないですね。

 

個人的に興味深かった気づきが1つあります。

以前のPCでi7-4770とRX6600XTというグラボだけ更新したヘンテコ構成だったとき、カクつきが出る際のPCリソースを調べてみるとCPUとGPUともに使用率が50~60%くらいにとどまっていました。つまり、そもそも両者ともフル稼働出来ておらず、その結果全体としてパフォーマンスが出ていなかったように見受けられます。当然のごとくCPUが足を引っ張っていたんだろうなあと思います。

一方で、新しいPCでi5-12400fとRX6600XTという組み合わせになってからは、CPUの使用率は同じくらいですが、グラボの使用率が基本的に80%くらいまで上がるようになりました。明確なボトルネックだったCPUをアップグレードすることで、グラボが持つ本来の性能を引き出しやすくなったように思われます。

また、CPUだけでなくマザーボードやRAMも10年分新しくなったのでその影響もかなり大きいでしょう。

もちろん、以前グラボだけを更新したときもパフォーマンスは格段に上がりました。それでも、やはりCPUとグラボは二人三脚で更新していくのがいいんだなあと、今回の体験を通じてよく分かりました。これは買う前から予想はしていたことではあるものの、身銭を切って知るのはこれまたなかなか楽しいものです。

おわりに

10年ぶりにPCを組み直して、以前よりもずっと快適にゲームが出来るようになりました。

大きな変化としては、何よりもまずパフォーマンスが違いすぎます。これまで厳しかったタイトルもヌルヌルで出来るようになるとやっぱり楽しいですね。fpsのようなパフォーマンス以外に、大容量SSDとコンパクトなmATXのケースという部分でも快適度が爆上がりしました。

もちろん、今回組んだPCは2023年の基準で見ればミドルクラスにも届かないくらいの性能です。超重量級タイトルを最高画質で遊んだり、2Kや4Kといった解像度で遊ぶには荷が重すぎます。でも僕はそういう使い方はする予定はないので現状は満足なのと、これくらいのスペックだからこそコスパ良く組めたという見方もできると思います。

次買い替えるとしたら果たして一体どういう状況になるでしょうか。正直ゲームの画質がこれ以上良くなっても、ゲームの楽しさはそこまで変わらないように思いますし、ここ10年を振り返っても同じことが言えたと思います。

僕はもともと画質にはそんなにこだわる方ではなく、どちかかというとゲームが持つロジック面の魅力を楽しんで評価するタイプです。なので壊れたりしなければ、少なくとも5年は不満なく使えるんじゃないかなあと予想しています。そのうちグラボだけ交換するというのもアリかもしれません。